今まで私が見てきたベジタリアンモノレシピって、とにかく「油でこくを出せ」的なものが多かったような気がする。カノウさんのレシピは野菜の本当のうまみと甘みを引き出す絶品レシピです!!油の摂り過ぎは本当に身体によくないので本書をまんべんなく実生活に取り入れて健康になりたいものです。
前作「菜菜ごはん」にまさるとも劣らぬ魅力的なレシピがいっぱい。動物性の素材の代用という発想とはまったく別次元の、植物の持ち味を十二分に生かしたお料理が並びます。前作でも感じたことですが、レシピを読んで想像した味に比べ、実際に作って食べてみると、さらに意外な深さやコクがあるのに驚かされることがしばしばです。だからといって調理法が煩雑なわけではなく、気軽に作れるものばかり。禁欲的なベジタブルレシピとは違った発想のレシピ集です。からだもこころも満足しそうです。
以前出版された2冊のように、今回も非常に洗練された味の数々に巡り合えました。できるだけ五葷も使いたくない小生には嬉しい、精進ラーメンは感動的な味。こんなにおいしい精進ラーメンが自宅で、自分でできるなんて!と、しばし恍惚したほど。五辛たっぷりのみそラーメンも、マクロビオティックを始めてから初めて、おいしいと思えるみそラーメンに出あえました。他には相変わらず乾物や豆類、豆の加工品、スパイスなどを思いもよらなかった調理法であっと驚く料理に仕立ててくれるレシピが、全部で約120にも及んでいて、この値段でこの内容は安いかもしれないとまで思いました。もちろん、テーブルセッティングも相変わらず素晴らしい。アソビが欲しいときの穀物菜食にぴったりの内容でした(もちろん、日々いただける素朴なメニューもたくさんです)。