きれいごとや慰めを一切言わず、相手に合わせたアドバイスをこれだけ適切に簡潔にされる美輪さんは本当に素晴らしいと思います。ただの精神論でなく、現実的な解決方法を打ち出しておられますし、解決仕様のないことでも心持ちをどうしたらいいか、アドバイスし、納得させてくれます。<P>例えば、「子供に暴力を振るう夫と離婚したほうがいいのか」という相談では、三流の宗教家や正義感ばかりの輩だと「子供のために離婚はするな、がんばって耐えろ」のようなことを言う人もいますが、美輪さんは、「夫の暴力癖、治らないものは治らない。子供を安全に育てられるように、家を出るべき。」とぴしゃり。離婚調停の持っていき方や行方のくらまし方なども事細やかに書いてあって、現実に即したアドバイスとはまさしくこのことです。<P>だから他の人生相談書とは訳が違います。おまけに女性の抱えがちな様々な事例をとりあげていますから、今の自分の状況に当てはめて考えても、即参考に出来そうな例も盛りだくさん。美輪さんもおっしゃるとおり、今自分に直面していない問題でも、人生というのは何が起こるか分からないから、この本は生涯手元に置いておき、迷ったときに見てみたいなと思います。<P>それにしても、美輪さんの言葉遣いって美しいんですが、ウィットにも富んでいますよね。例えば、「ただ食べて寝て遊んでセックスしているだけの人糞製造機のような人」だとか「女の嫌な部分を煮詰めて抽出して漢方薬のように苦いところだけを集めた人。漢方薬なら薬になるけどあなたは薬にもならない」だとか。笑えます。<P>この投稿は女性からのものばかりなので、男性がこのような美輪さんの相談書を読まれるのなら、「生きるって簡単」の方がお薦めかもしれません。が、もちろん両方いいと思います。
既刊「強く生きるために」の続編ともいえるこの書は、これからますます荒廃していく現代のありかたに警鐘を鳴らし、その中で生き抜かなくてはならない私たちへのエールを送ってくれています。<BR> 美輪さんの厳しくも温かいメッセージは、読む人に勇気と今私たちが何をすべきかを教えてくれます。<P> この本を読んでいると、菩薩のように微笑みながら、「がんばりなさい」と励ましてくれる美輪さんのオーラに包まれるような気がします。<BR> 一般からの質問に美輪さんが答えるという形で進められていきますが、その質問に自分がまったく当てはまらない場合でも、美輪さんの説く真理はすべての人に共通しています。<BR> ぜひ、読んでみてください。
人生相談に対して、非常に冷静かつ鋭い指摘をしながらも、人間としての温かみが感じられる。<BR>たとえば、「親友をイジメ殺した人たちへの怒りがどうしても消えません」という相談に対しては、「あなたがわざわざ自分の手を汚さなくても、彼らには、いずれ必ず裁きが下ります。」と答えています。<P>人はついつい仕返しをと考えてしまいますが、この答えを読むと「そうか」と納得してしまうだけの説得力があります。<P>どれも難しい相談内容にもかかわらず、思わずうなってしまう回答ばかり。<BR>恐れ入りました。