この本は、一度読まれることをお勧めします。<BR> さすがAll★5つをゲットしているだけのことはありました。<P> 内容はしっかりしたもので、アメリカの社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニ博士により書かれています。<P> 博士といっても学者の書く実際にはあまり使えない内容ではなく、実際に博士が実体験したことも例として盛り込まれており(一番頻繁に行った観察はなんと、自らスパイとなって実地体験!)わかりやすく、また、心理的にもそうだよねぇ、と納得できる数々のことが載っています。<P> 私は、端的にはネットマーケティングに活かせないかなぁと考え読んでみましたが、実生活で悪徳業者から搾取されないためにも必要な有益な内容だと思いました。
日々の生活の中で、よく考えたら要らないものをを買ってしまったり、他人の頼みごとを断れずやむを得ずに引き受けたという経験はないだろうか。<P>一体、どうして…。この本はそれに対する答えを心理学の立場から与えてくれる。取り上げられている事例は、日々の生活で普通に出会いそうな身近な事例ばかり。しかし、その内容は楽しく実践的でありながらも、社会心理学の研究に裏付けられたものであり、いわゆる「How To」を超えたものである。 読みはじめると止まらない、目からうろこの一冊。
社会心理学、説得術の大家であるチャルディーニ氏が説得や交渉の場面における人間心理の動きをあぶり出し、その行動パターンを描写している。著者の論考は、ハーバードビジネスレビュー誌で何度か再掲されているので、目にされた方もいるだろう。<P> 本書では、影響力の武器として6つの影響力の源泉に体系化している。すなわち、<BR>・返報性:当初の好意や譲歩に対するお返しせねば気持ち<BR>・一貫性、コミットメント:自らの言葉、態度を一貫性あるものにしたいという想い<BR>・好感、連合:好感ある知人に対してイエスという傾向がある<BR>・社会的証明:「赤信号、皆で渡れば怖くない」<BR>・権威:寄らば大樹の陰<BR>・希少性:機会を失いかけるとその機会に対して認識する価値が高くなる<BR> 多くのセールス本やマーケティング戦術などでもこれら6つの影響力の源泉にもとづいたテクニックが紹介され続けているように、これらは人間に大きな作用をもたらす。本書では、記銘すべき事項をこの6つの源泉に集約した上でかつ詳述しており、人間間に作用している影響力の在り様を読者が意識しやすいよう編成されている。<BR> 他方、本書は、人間の意思決定の間違いの源泉を示す書でもある。本書で示されている影響力は、我々人間が寄って立つヒューリスティックな問題解決法と表裏一体である。限られた情報に依存して殆ど自動的に行動してしまうヒューリスティックな行動パターンは、効率的な問題解決である一方、高くつく間違いを導きやすい。まして人は、不確実性が高く自分の判断に自身が持てない状況でほどヒューリスティックに依存し易い。影響力の源泉を知っておくことは、自身の意思決定の安定性を高めるためにも友好な対処法であろう。<P> 本書で示す影響力は、詐欺・ペテンの類で悪用されるとともに、コーチング(一貫性、コミットメント)などのヒューマンスキルの土台でもある。本書に示されるような知見を応用することによって、自分なりの新たなヒューマンスキル形成が促進されるのではないだろうか。