丁寧に、真面目に書かれた参考書のイメージです。<BR>表や図も無駄がなく、適確でわかりやすいです。<BR>「投機」ではなく、長期で資産運用していく「投資」をきちんと学べます。<BR>熟読して、自己の人生を豊かに形成していきたいと思います。
本屋へいくと3000万円儲けたとか、デイトレですぐに儲かるだの、同じような株の本ばっかり並んでいるが、そういう本の著者はホントに儲けたのだろうか? そんなに簡単に儲かるなら、どうして世の中こんなに不況になっているの? と言いたくなる。<BR>そういう中でこの本はかなり真面目で現実的な内容だ。ポイントを上げて1つ1つ丁寧に書かれており、プロの目から見た資産運用の理論と方法が個人投資家にも使えるように説明されている。<BR>実践本であると同時に知的好奇心を満たしてくれる内容だと思う。証券口座を持っている人におススメ。
本書はマネックス証券のメールマガジンで健筆をふるう内藤が<BR>個人の資産運用法についてリアルな視点でまとめたものである。<P>内容は至って真っ当で、例えば個別銘柄の選択よりもアセット<BR>アロケーション(資産配分)を重視せよ、リターンよりも<BR>リスクの分析に注力すべし、アクティブ運用は自分が他人を<BR>カモれる自信(過信?)がある場合以外やってはいけないなど、<BR>運用に対する基本的な考え方を網羅的に説明してくれている。<P>これから運用を始めてみたい、あるいは何となく株式投資を<BR>始めてみたが損ばかりしている、といった方はこの本を読めば<BR>大筋において「正しい」視点を持てると思う。個別株式、投信、<BR>ETF、REITなど個別商品の長所短所も簡潔にまとめてあり、<BR>好感が持てる。<P>しかしいくつか不満点もあるので挙げておきたい。<P>1)個人の資産運用において、ローンを組んでまで住宅を<BR>取得すべきかどうかは大きな問題だが本書では立場が<BR>必ずしも明らかではない。(評者は否定的。)<BR>2)生命保険や変額年金といった保険商品について記述が<BR>ない。まともな神経の持ち主ならそんな悪質な商品は買わ<BR>ないはずってことか? 警告くらいはしてあげてもいいのでは。<BR>3)中国株やインド株の投信を勧めているが、これらの商品が高額の<BR>信託報酬を徴収していることを正当化する理由が示されていない。<BR>4)本邦の市場でREIT(不動産投信)には不当なプレミアムが<BR>ついているが無視している。本書の推薦通りに買って高値掴み<BR>して読者が将来泣いたらどうするのか。「自己責任」かな。<P>これらの弱点のいくつかは著者がセルサイド(証券会社)の<BR>サラリーマンである立場上の弱みに由来すると思われ、著者の<BR>ファンとしては脱サラしてもっと自由に言いたいことを論じた<BR>本も読んでみたいところではある。<P>以上のような欠点はあるにせよ、本書が真剣に書かれた、<BR>資産運用入門に適した良書であることに間違いはない。<BR>運用に真剣に向き合おうとする個人には是非一読をお勧めしたい。<BR>「サルでも儲かる」株式運用など最初からあり得ないのです。