この手の近未来の経済を予言する書物については、同じ著者が<BR>数年前に書いたものをチェックするのが勧められる。著者の<BR>「目からウロコのマーケットの読み方」（アスキー、2003年刊）<BR>を読んでみると、内容の７割は本書と整合している。著者は<BR>数年前から株価急騰を予言している。その論旨は明快であり、<BR>アメリカの永久戦争の戦費調達のために日本市場に資金が流れ<BR>込み日本は急速に好景気に見舞われることになる。このような<BR>論旨について注意すべきことは、概して一者（例：アメリカ）が<BR>大きい企みを持つ一方、その他（例：中国、ロシア）が無策の<BR>ように振舞う想定に傾きやすいことだ。本書でも中国・ロシア<BR>の打つ手があまり見えないが、アメリカの勢いを説く筆者の<BR>確信は半端ではない。