日本人の悪いところはマネジメントを理解していないこと。<BR>マネジメントはアドミニストレーションとは違う。<BR>ドラッカーの本書では、マネジメントをより具体的な行動規範<BR>へと昇華させ、企業戦略の内的要因の原動力と位置づける<BR>点に、実践的な面を感じる。<BR>読み返してみれば、また新たな発見があった。
ひろく読まれるドラッカーだが,それはかれが巧みなエッセイストだからだろう。専門的な論文調ではなしに,自在にみずからの思想を書き記す。「利益など存在しない」等々,固定した見方に揺さぶりをかけ,ときに些事の堆積のように思われる仕事に,文明史的な光を投げかけ,意味づけ価値づける。<BR> しかし,ドラッカーの考えの全体をみて,その二本柱に気をつけて読まないと,良くも悪くも誤解するかもしれない。古くからのドラッカー読みにとっては既知のことだろうが,ドラッカーの根本的な人間理解は,キルケゴールゆずりのかなり厳しく孤独な精神的人間であり,その社会理想はトックヴィルゆずりのアメリカのニューイングランドのタウンシップにおける集団主義,および小集団から階層的に形成される民主的な立憲主義である。<BR> かれがリーダーについて語り,マネジメントを語るとき,つねにこうした社会全体像や人間像がある。これを見逃すと,ドラッカーの真意をつかみ損ねると思われる。<BR> もし最近の選集でなどでドラッカーを気に入ったら,ぜひ『すでに起こった未来』も併読してほしい。
マネジメントは管理ではない。<P>マネジメントを管理だと考え、どうにも自分になじまないと感じているマネージャーや、<BR>管理者としてのマネージャーに日々不満を抱いている方には、ぜひ読んでいただきたい一冊。<P>実際、マネジメントが管理するだけの非生産的な機能しかもたないものなら、<BR>その重要性がこれほど説かれることはない。<P>それは生産の機能をもった組織において、<BR>まさにその生産性を向上させるために有効なひとつの機能こそがマネジメントである、<BR>ということがこの本を読めば納得できる。<P>さまざまなドラッカーの著作から、ドラッカー自身がそのエッセンスを抽出して、<BR>一冊にまとめあげただけあって、手っ取り早く、そのマネジメントに対する考えを<P>知りたい方には、おすすめします。