この本は、分析の分類の仕方が大変うまい。そして、こんなまとめ方があったのかと感心した。
本書は、ビジネスにおける定量的な分析を示した良書である。論旨は、「過年度比較」や「類似比較」等の定量分析の基本に忠実であり分りやすい。具体的には、日本の自動車市場に占める米国車割合が低いという課題に対し、日本の左ハンドル市場に占める米国車の占有率が高いことを指摘し、米国車の右ハンドル市場への進出の重要性を明言する点は、大きさと分解の分析について新しい示唆を与えてくれる。<BR> 分析の手法は分りやすいが、新しい知見としての物足りなさを感じるため、星を1つ取り、星4つとした。同氏の「経営参謀の発想法」にあるようなMBAのスキームは、必要最低限に留められている。また同氏の「経営参謀が明かす論理思考と発想の技術」で見られた論証法も、ページ数が少なく不十分と感じる。さらに株式指南書の経営分析と比較すれば、マクロ分析、ミクロ分析ともに不十分である。これらの点が物足りない理由として挙げられる。
人間は頭脳を使って、道具を作った。<BR>その後、道具を使うことによってさらに頭脳が鍛えられ、<BR>また新しい、便利な道具を作った。<BR>いわば思考と道具の使用を繰り返していた。<P>本書は、思考そのものを『 道具化 』するための本だ。<P>古代ギリシャ人は哲学で似たことをやり、後にデカルトなどがさらに発展させた。<BR>だが、school 『学校』の語源はスコラ『 暇 』であるというように、思考の道具化は、働く必要の無い一部の富裕層にしか浸透しなかった。<BR>本書は我々、働く一般人にも役立つ。<BR>多くの人に支持されるということは、考え方によっては先人の哲学よりもすばらしい。<P>大げさな表現だが、本書は人類の歴史的パラダイムシフトなのかも知れない。