この本の素晴らしさは、実践的なマーケティングを日々勉強している人には基本と思われることだが、実はほとんど出来ていないことを実践できるようにガイドしてある。商品のライフサイクルに始まる各章の中身は確かに他の本ににも書いています。でもこれだけ分かりやすく書いている本が他にあるだろうか?私も多くの類似本を読んでいるがいまだかつて出会ったことがない。
ビジネスや商品を実に複数の視点から捉え、対策を練っていく。<BR>こういうことは基本なのでしょうが、できません。<BR>それを実現に向かわせるのがこの本でしょう。<P>何かしらビジネスをしていて、それについて真剣に考えている人で<BR>あればあるほどこの本は有益に思えるでしょう。<BR>そのような気持ちで読むとアイデアが溢れてくるからです。<P>逆にただ読むだけでは、入ってくることがあまりないと思います。<BR>実践して初めて意味のあることしか書かれていませんから。
企業や事業の戦略に関する書籍は数多ある。理論書から実務書、また、怪しげな書もある。本書も一見すると「胡散臭く」、出版社がメジャーでなければ、手に取ることはなかったかもしれない。<BR> しかし、一読すると、もしもこの考え方が定着している企業ならさぞかし活気ある面白い会社だろうな、と想像してしまう(ただし、スマートでも洗練されてもないかもしれない)。<P> 本書は、「多忙な企業家が事業戦略、ビジネスモデルを如何に構築するか?」を記した書であり、「戦略とは何か?」を説いたものではないし、アカデミックではない。実際に使うための視点やプロセスを得る書であり、披瀝するための知識を得る書ではないのだ。<P> 特徴的なポイントは、3つ。<BR> 商品を起点に事業戦略を考える。一般に、市場環境や競争構造を分析して云々~商品・事業を選択、というプロセスとは逆の発想。目の前にあるものからスタートするから、誰でも取っ掛かり易く、定着し易い。<BR> 演繹的ではなく帰納的。「戦略とはこうあるべき」からスタートする理論書とは異なり、目の前にある事実を戦略のコンテクストに落とし込んでいくというスタンスを取っている。実際に、眼前の商売を改善する必要に迫られている人々には使い易い。<BR> 汎用性・普遍性がある。決して目先の実務だけに陥ることなく、検証された理論を背景に裏打ちされているから、持続的に使っていけるプロセスだと思う。<P> ピラミッド型の出来上がった企業には受け容れ難いかも知れないが(それ自体が問題なのかも知れない)、営業の現場や中小企業には受け容れ易く、かつ、すぐにでも使えるのではないだろうか。