利益がいかに導き出されるかいろいろなモデルを例として上げているが、実はビジネスモデルが描かれており、高収益が成り立ってこそビジネスモデルとして成立することを改めて認識させられます。<P> また自分の会社が、どのようにビジネスとして成り立っているか、何が利益を生み出すキーになっているか、分析するきっかけとして参考になると思います。但し、具体的な部分までは描かれていませんので、自分自身で主人公と同じように考え、分析することにより、自分の知とすることができる本です。
ビジネスモデルという外来語は市民権を得たが、具体的にどのように定義・分類されるのか、明確な答えはなかった。本書は具体的な商品・サービスを解析して23のビジネスモデルに分類し、解説している。例えば製品で利益をだすのではなくトナー、インクカートリッジなど、付随して、消費者が継続購入する消耗品で利益をだすのがインストール型。業界の標準の作ってしまう覇権主義的なのがディファクトスタンダード型。これはマイクロソフトがあてはまる。興味深く、今後期待できそうなのがスイッチボックス型だった。これはまだ発展の途上と思うが興味をひいた。
「ビジネスモデル」という言葉が多く聞かれるようになり、それを説明する本も沢山出版された。しかし、どれも教科書的であり、社内向けのプレゼンなどには使いやすい。しかし、自分で思考するのにこの「ザ・プロフィット」ほど、思考の引き金を引いてくれるのに最適なものは無いだろう。実用的な書籍の質とは、内容の高級さ充実度よりも、いかに読み手の思考回路を活性化するかにかかっている。そういう観点で捉えたとき、本書は大変有効な良書である。20数個のビジネスモデルを分かりやすく、対話形式を用いて説明しているので、退屈なビジネス文庫を読むのとは異なり、MBAなどの学生でなくとも楽しみながら、世の中のビジネスの構造の概略を知ることができる。