テーマをプロフェッショナルの一点に絞り、深い議論が展開されます。本書を通じて、<BR>自分自身がプロフェッショナルとなれる以前に、コモディティ(社員)化の罠に陥らないよ<BR>うにしなくてはと強く感じました。この意味で以下の3点が私の琴線に触れました。<P> ① 自己否定を厭わない。勇気をもって考え行動し、その先に拓かれる新たな視座に<BR> 投資する。<BR> ② 私利に捉われず、顧客に最高の価値を提供する事に全身全霊を傾ける。顧客の<BR> 顧客にも目を配る。<BR> ③ 自らの限界をずっと遠くに設定し、己の技量を一生かけて磨き続ける。<P> 言うは易く行うは難しです。(笑) 本書は文章のみの構成ですが、図入り説明の方<BR>が、大前氏の考えるプロフェッショナルの全体像を掴み易くなったのではと思いました。<BR>何れにしても、新しい気づきがある一冊でした。
大前研一ファンなら、ここに書かれていることはどこかで読んだ内容ばかりだと思うかもしれない。第二章、第三章は「新資本論」、第四章は「質問する力」、第五章は「考える技術」といったところだろう。ただし、第一章は、今まで語られてきた視点とはやや異なり、おもしろかった。<BR> この本は、同氏の今までの著作で主張してきた内容を、より分かりやすく、より平易に語っているわけだが、バラバラと不揃いな寄稿が寄せ集まっているのではなく、全体が一貫して「プロフェッショナル」という軸で括られているのがすばらしい。今まで同氏の主張に耳を傾けてきた人も、自分自身の職業観として、もう一度全体を読み返してみてはどうだろう。特に、第五章の「矛盾に適応する力」というパートは、考え方の本質を問う部分であり、読み応え十分だ。
大前氏の著作を初めて読む人か、<BR>熱心なファンにしかお勧めできません。<P>目新しさを感じたのは最初の章だけで、それ以外はこれまでの<BR>大前氏の著作とほぼ同一の内容だからです。<BR>本書に限らず、これまで他の著作でも度々感じてきたことであり、<BR>正直「またか」という思いです。<P>お金を出さして買わせている以上、既にあるものに少し付け足しを<BR>しただけの本を出すことは決して褒められることではありません。<BR>残念です。