ザ・ゴールの続編である本作は、TOC(制約条件の理論)を生産管理の分野から様々な問題解決の為の思考法に進化させ、前作同様にストーリー仕立てで何となく教えてくれます。<BR>様々な問題には必ず根本となる原因があり、目の前にある問題を解決したとしても根本にある原因を突き止め改善しなければ解決しない。その根元にある原因を突き止め、改善するための道筋を見つける思考法がTOC思考プロセスなのです。<P>思考プロセスには問題解決のために<P>・現状問題構造ツリー<BR>・対立解消図(ツリー)<BR>・未来問題構造ツリー<BR>・前提条件ツリー<BR>・移行ツリー<P>という5つのツリーが用意されていますが、本書ではストーリー仕立てな事もあり図解で詳しくは紹介されていません。より理解を深める場合は別途書籍を読む必要があると思います。
ここで宣伝されている「思考プロセス」は、いわゆる「ディシジョン・ツリー」とか「イシュー・ツリー」と呼ばれるもの。この「ツリー」の例がひとつしか出てこないのは、この「思考プロセス」を教えようとしているのであれば、極めて不親切。このような思考プロセスを学びたいのであれば、「問題解決プロフェッショナル」とか「意思決定のための分析の技術」とかの本の方がよっぽどいい。<P>ゴールドラット博士のTOC理論を勉強したいのであれば、「制約管理ハンドブック」など、(少し難しいかもしれないが)より適した本がある。また、「TOCは、マーケティングや販売にも適用できる」と謳われている内容は、「マーケティング」の定義を取引制度に拡大しただけであり、(取引制度は全く自由にならない)大企桊のマーケティング担当や、B2Cのマーケティングを行う人に適用できるかどうかははなはだ疑問。<P>小説としてはまあまあのできだが、後半は「思考プロセス」とやらがチャートも無くたくさん出てくるので、非常にうっとおしい。TOCの「感じ」に触れたい人にはいいかもしれないが、勉強のためにはもっと良い本がたくさんあるし、もっと面白い小説もたくさんある。一般的にはあまり勧められない。
思考プロセスの5つのうちの1つである対立解消図はすぐに役立ちます。<BR>2つの対立する事をうまく解消する視点を与えてくれます。<BR>ぐるぐると悩んでいることを書き出して、よく見てみると問題になっている雲から光が漏れているのに気がつくことがあります。人間関係の分析や他人と共同して問題を解決する際のツールとして使えそうです。<P>他の4つはこれだけでは今ひとつ活用できないように感じました。他の参考書を読んで身につければスッキリした日々が送れるかも。