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| 直伝・トヨタ方式
(
中山 清孝
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トヨタ生産方式(TPS)の関連図書は何冊か読んでいたが、このような“トヨタの真意”を伝えてくれた本は初めて。良著にめぐりあえたことを嬉しく思う。<BR>これまでの本は、TPSの手法やカイゼン事例を紹介するにとどまるものが多かったように思う。「私が言うとおりの手法でやってみろ。ほら、うまくいっただろ?」とでもいいたげな“手段”のみの伝授本である。工場の生産ラインに詳しくないと分かりにくいものが多く、そのカイゼンに携わった人たちじゃないと理解できないのでは?と思われる不親切な本もあった。<BR>しかし、この『直伝・トヨタ方式』は違う。手段ではなく目的を、なぜそうする必要があるのかの真意を教えてくれる。<BR>まず、タイトルが“トヨタ生産方式”ではなく、“トヨタ方式”となっていることに注目すべきである。読み手に、生産ラインの知識は不要である。有名な「5つのなぜ」や「7つのムダ」等についても言及しているが、通り一遍の解説ではなく、奥深いところまで親切に“考え方”を教えてくれる。事例も生産ラインに関するものだけでなく、例えば台所のレンジフードにまつわるエピソード等、日常的な事象を多く引き合いに出されているので、非常に理解しやすかった。<BR>読み終わっても、カイゼンの方式を押しつけられた感はない。“経営への寄与”につなげるための方策を、読者自らが考えることができるよう手助けしてくれたように感じた。著者はトヨタの理事・生産調査部長を経たのち経営コンサルタントになられたそうだが、まさに読後感は良質のコンサルティングを受けた後のようであった。<BR>本書は、現場の生産カイゼンに携わる方だけでなく、経営者や管理職の方々にも広く読まれるべき、稀に見る“マネジメントの良書”であると思う。
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