問題解決の前提には問題発見が必要であるが、前著「問題解決プロフェッショナル」はじめ、多くのロジカルシンキング系の書籍ではMECEやピラミッドストラクチャーなど問題解決ツールの紹介にとどまっている。それに対し、本著は、問題発見ツールの体系化にチャレンジした意欲的な著作である。<P>問題発見のために「あるべき姿」の構想力の重要性を強調している点は、非常に共感できる。<P>しかしながら、本著後半において、トレンド分析、集中・分散分析、感度分析など、15のツールが紹介されているのは、この内容では、消化不良気味となろう。<P>優れた問題発見者は、こういったツールを使った結果、問題を発見するというより、経験や洞察力に基づいた直感により、問題があることをかぎつけ、こういっ!ツールは、本当に問題かどうかを検証し、また、第三者に説明するために使う、ということだと思う。<P>だから、こういったツールは、本著を読んだだけでは、理解はできても使えるようにはならず、まして問題発見ができるようになるわけでもない。こういったツールを自ら使うことを繰り返すことで、自分のものにしていく必要があるのである。<P>その意味で、そのツールを使うことを前提として、おまけのように解答例もない演習をつけるよりは、そもそも、どういうときに、そのツールを使うと発想するのか、という視点の記述を厚くしてほしかった。<P>なお、文章は読みやすく、前提知識も特段必要ないし(前著を読まなくても理解できる)、他に優れた類書があるわけでもないので、お薦めであることには変わりない。!個人的には、実践編・演習編を期待したい。
著者の書籍は、『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』「戦略シナリオ 思考と技術」と、どちらも興味深く、というより目から鱗の状態でした。<BR>当然にこの書籍にも同様の期待をしていたんですが、前2作の焼き直しのような感が拭えません。<P>というのも、「問題解決」という観点から「問題発見」という観点に代わっておりますが、書いてある本質は「いかにロジカルに思考し実践に移すか」ということで同じような気がするのですが、、、
問題解決プロフェッショナルの続編としての位置づけの本。<BR>しかし、どうもページ数を稼ぐような冗長な説明、図が目立つ。<P>実際には第3部の問題発見分析編を分析方法の辞書として活用するのが、最も実用的な本書の活用法かもしれない。<P>前著が良書であっただけに、本書が平均レベルのビジネス書になってしまったのは残念。<P>多くの方が本書に対して高得点をつけておられるが前著を読んだ上で本書を読んでいることが点数に影響しているのではないだろうか。<BR>本書だけ独立して採点すると3点としたい。