社会人入試をメインターゲットにして書かれていますが、<BR>大学から直接大学院進学を目指す方々にも、十分ためになる<BR>素材だと思います。私も社会人入試ではなく、一般入試でしたが<BR>、研究計画書を書く際も、その後の研究を行う際にも、心構えを<BR>構成する書として十分役立ったように思います。
大学院進学の際、初めて書く研究計画書の作成に行き詰まった。事前に下書きしてあった私のあやふやな計画書は、この本との出会いで即座に研究計画書ではなくなった。そもそも研究計画書とは、一体何なのか?そしてそこで伝えるべき大切なこととは?これらを、主に文系大学院の研究計画書の例を扱い、述べるべきエッセンスの抽出法と共に具体的に述べてある。理系の学生でも大いに満足できる内容であった。「研究計画書を書く」というプロセスを通して、研究というものへの心意気や研究そのものの意義についても考えさせられた。<BR> よくよく読むことで、「研究計画を考える」という作業にとどまらず、様々な物事への論理的な考え方までもをも教えてくれる非常に有意義な一冊であった。<BR>
本書の内容は研究とは何かという「考え方」であり、漠然と大学院を受験しようと考えている大学生にとっては良書といえよう。本当に学生のことを考えて大学院を薦めてくれる大学教授はそれほど多くはないはず。苦労して大学教員になられた人ほど正直に学生に再考を促す傾向がある。妹尾もその一人であるようだ。なかなか良い指導教官(メンター)を見つけることはできない。<P>よって本書の「考え方」は厳しいが、「親切」なのである。大学院に入る前に是非一読されれば、その後の多忙な授業や課題の中で自分を見失わなうことはないはずである。大学院生でつまづいている方も本書でもう一度、客観的に自分の研究を見直すことができるはずだ。