池谷裕二氏の「海馬」「(だれでも天才になれる)脳の仕組みと科学的勉強法」「進化しすぎた脳」「記憶力を強くする」等の著作を読んだところなのですが、この「加速学習」の学習法に関するところは、池谷氏の話と多くの共通点が見いだせます。池谷氏の言葉で表せば「海馬が扁桃体の感情を参照しながら情報を取捨選択する」、だから脳を上手くノセれば(だませば)学習効果が抜群に上がる、という訳です。この「加速学習」ではその辺りの(WHYだけでなく)HOW TOがかなり具体的に書かれているのが良いですね。アクロニム(頭字語)やマインド・マップを多用している本書も記述も、学習効果が上がるように上手く考え抜かれてます。(訳者がアクロニムを英語版から日本語版に置き換えてますね、そのご苦労に敬意を表します)<P>創造性に関する記述も良いですね。歴史上の偉人やその人の業績も最初から高く評価されていた訳ではないんだ、というメッセージ(逸話)も多く引用され、すぐ結果が形となって現れなくともガッカリしないことが大事だな、と教えられます(世間の方が遅れている可能性がある訳です)。結局のところ「アイデアのヒント」(ジャック・フォスター著)でも出てきた言葉「根気と決意が全て」に要約されると思います。結果が出るまでのプロセスを如何に楽しんでやる術を知っているか、ということに尽きます。<P>創造的分析家になるためには、という処を読んでいると、「科学者は頭が悪いと同時に頭が良くないといけない」「まず物事を(好奇心をもって)良く観察することである」等の寺田寅彦先生の言葉を思い出したりしました。他にも日本の事例を思わせる記述が散見されます(トヨタの「改善魂」など)。ですので日本人も十分に創造的になれる筈だなぁと思えますょ。「日本人に創造性なし」とかいうレッテル貼りはやめましょう。「出来ない理由より、出来る理由を探すこと」(西堀栄三郎・第一次南極越冬隊隊長)から始めましょう。そんな気にさせる、気分爽快な一冊です。
本屋で立ち読みして良さそうなので買ったところ、素晴らしい掘り出し物でした。<BR>多くの効果的な勉強法の全体像を見渡したり再確認し、かつそれぞれの使い方に関するチップを得たい人には間違いなくオススメできる一冊だと感じました。<P>この本は【速読・マインドマップ・記憶法・復習法・グループ学習】などの、勉強を効率的にする膨大なテクニックを網羅し、それをM.A.S.T.E.Rという独特の概念でまとめています。<P>・M(a Mind Set for Success)→始める前の心構え<BR>【勉強に対する態度・肯定的な自己暗示・目標の設定方法など】<P>・A(Aquire the Facts)→情報収集の方法<BR>【中心概念をとらえること・学習マップ(マインドマップ)・速読など】<P>・S(Search out the Meaning)→得た知識を深める<BR>【様々な知能の活用法・協同学習など】<P>・T(Trigger the Memory)→記憶の強化<BR>【記憶法・復習の仕方など】<P>・E(Exhibit What you Know)→学んだことのアウトプット<BR>【知識の試し方・文章の書き方など】<P>・R(Reflect on How you Learned)→反省とフィードバック<BR>【自己評価の仕方・失敗からの学び方】<P>そして次の章で会社など組織の在り方について述べ、<BR>残りの章で「分析的思考」と「創造的思考」の方法について書かれています。<P>内容は他の本のいいとこどりと見ることも出来ますが、全体を通して独特の概念でまとめてあり、有意義な本だと思います。<P>レイアウトは図などが多用され見やすく工夫され、また各ページのサイドには自己啓発的なウィットに富んだ名言集などが前ページにわたって書かれており、それだけでも楽しめます。<BR>是非おすすめしたい一冊です。<P>また読みながら「自己啓発書の『7つの習慣』と言っている事が結構かぶってるなぁ」とか思っていたら、本文にも『7つの習慣』のコヴィー氏のことが書いてあり、やはり影響をかなり受けているんだなと感じました。<BR>この本が気に入った方はそちらも読んでみるといいかと思います。
ビジュアル情報満載で脳みそへ適切なアドバイスが直接書き込まれているような気がする本です。<BR>文字数も多いはずですが、的確なイラストが理解の助けになっています。<BR>きっとよく考えられた場所に配されているのでしょう。<BR>欄外のコラムというのか短い文章がいっぱい登場します。<BR>一つ一つが納得できる文章で、本文そっちのけで読み漁りました。<BR>法学部3回生の娘がいるのですが、もっと早く知ってアドバイスできていればと残念に思うくらい気づきがあります。<BR>「父兄へのヒント」というアドバイスもあります。<BR>人生に必要なのはよいメンターに出会うことだと誰かが言っていましたが、この本がそれかもしれません。