確か民話学者のフロップのプロット構成の内容が記してある非常に数少ない本であり、また、笑いの根源についても非常に明快で納得しやすい理論を展開しているので非常にすぐれた本だと言える。<BR> このような作品研究にあたって非常に素晴らしい本はファンタジーにおいて類が少なく、読んでおいて損は無い作品となっている。最近のものによくある、お金を溝に捨てたという感覚が無いと感じられるような作品である。
本書は<物語創作法入門>と副題にある通り、エッセイ形式で45項目、物語について著者のジャンニ・ロダーリ氏の見解が述べられています。<P>文章によって読む者にものの手ごたえを感じさせる、異化効果を生み出す技術<ファンタジーの二項式>について著者は、「闘争のないところに生はない」、また「想像力とは精神のことであり、精神が誕生するのは闘争の中であって、平穏の中ではない」といいます。<P>やわらかいとかたい、のように「思考は対で形成される」ので物語を動き出させるには、ふたつのことばの間に、ある距離があり、その接近が異常であるべきである、と著者は明かします。<P>その他にも、物語を作るもっとも単純な技術<ファンタスティックな仮定>や、プロップの31の機能分析、新しい物!!!を生み出す技術<再話>など物語を作る技術が紹介されています。<P>ジャンニ・ロダーリ氏は、詩人であり童話作家、レジスタンス運動にも参加したことのある人物で、そうした著者の主張やことばは含蓄があります。<P>「魔女の宅急便」の原作者・角野栄子さんが寄せた、あとがき「生ハムとメロン」もなかなかいい味出してます。