とても真面目な本である。そして、極めて有益な本である。<BR>女性には想像をはるかに超えるような情報も多かったと思う。<BR>男性との一対一の面接で、具体的な性行為に関する問題を扱うことは、<BR>これまでもなかったし、今後も少ないであろうが、<BR>性に関する問題を持つ女性を対象にする場合や、<BR>カップル・カウンセリングにおいても、大いに役に立つことだろう。<P>欧米で用いられている治療法が、日本でそのままの形で使うことは難しいこともある。<BR>その点、著者による応用法まで紹介されており、新書とは思えないほどの専門書となっている。<P>それにしても、握力10kg以上とは……。不謹慎ながら、あまりにも意表を衝かれて笑ってしまった。知らないことって、こんなにもいっぱいある。<BR>性の問題の多様性は、当たり前のことが当たり前にできなくなってきていることによって立ち表れてきているのかもしれないが、裏返せば性が豊富な、豊潤な可能性を本来持っていることを表すのではないだろうか。<BR>男性のみならず、女性にも読んでいただきたい本であると思った。<P>また、森岡正博の「感じない男」と続けて読み、相互補完的に理解を深めることができたように思われる。
少子化の原因は、当事者たちの<BR> 「誤解」によって引き起こされていると言っても<BR> 過言ではないように思いました。<BR> 作者は、「性」における問題で<BR> 解けないものはないと述べています。<BR> 何よりも大切なことは<BR> 治療しようという意思と勇気である<BR> と指摘してます。
日本の性障害治療、セクソロジー界の指導者であり、かつ臨床の最前線でも御活躍を続ける阿部輝夫先生の最新刊。<P>深い学識と、20年間3500例の臨床の知が組み合わさり、素晴らしいテキストとなっている。<P>セックスレス、性嫌悪障害、ED、バイアグラ、腟内射精障害、早漏、性交疼痛障害、ノン・エレクト法、などなど、セックスレスに関わる、疾患、治療を非常にわかりやすく説明。<BR>また、阿部先生ご自身の臨床統計をはじめとする、各種データも豊富でわかりやすい。<BR>治療法は、観念的、抽象的なものではなく、具体的、実践的なもので、極めて有用。<P>セックスに悩む夫婦、カップル、単身者、さらにセクソロジーに関わる医療関係者、研究者など全ての人に役立つ、日本の性治療のバイブルとなるであろう。