作者のアイルランドへの敬意、やさしさが感じられる写真に惹かれて購入しました。アイルランドにはまだ行ったことがないのに、本を読んでいると郷愁にも似た感情が刺激されます。著者の知り合ったアイルランドの人たちの暮らしぶりは、東京とは違った感じで、生活をのんびりと豊かに楽しんでいる様子です。<BR>スコーンやコルカノン(素敵な響きですが、じゃがいもとキャベツのおふくろ料理です)など、料理写真が魅力的だったので早速作ってみました。作り方はいたって簡単です。個人的にはスコーンはレシピ通りだと甘過ぎるので砂糖は半分にしたり全粒粉を混ぜたり、レーズンを入れたり自分なりにアレンジしましたが。<BR>ビールはふだん飲まないのですが、アイルランドの昔ながらのたたずまいのパブに入って、アイルランドでなければ味わえないという黒ビールの味を試してみたくなりました。
もう4年ほど前になりますが、英語を勉強するために1ヶ月ほどアイルランドに滞在したことがあります。初めての海外旅行で、英語のレベルも日常会話程度のものでしたが、いまだにアイルランドの素晴らしさを忘れることができません。以来その魅力の虜になり、アイルランドに関する色々な書籍を読みあさっています。<BR>著者の松井さんは、アイルランドと東京を拠点に活動するフリーカメラマンで、マークさんというアイルランド人のボーイフレンドと暮らしています。音楽業界での安定した仕事をすっぱりと辞めて、大好きなミュージシャンを多く輩出している国、アイルランドで人生を見つめ直す決心をしたのでした。<BR>本書には、松井さんが長年の暮らしで手に入れたアイリッシュ・レシピの紹介と、それにまつわる本人・友人・親戚のエピソードやメモワールが綴られています。とにかく美味しい情報が満載の「おいしい」本で、料理のバックグラウンドとなる宗教行事や伝統・民話などもわかる、総合的アイリッシュ・ガイド・ブックです。<BR>気取らない松井さんの人柄と、様々な心温まるエピソード。アイルランドの文化・伝統・日常がぎゅっと詰まった、アイルランド好きによるアイルランド好きのための本。一度手にとって見てください。
アイルランドに興味が無い人でも、食べる事・お料理する事が好きな人なら誰でも手にとって気軽に読める本です。<P>私は実際にここに載っているレシピの中から、試しに何点かを作ってみましたが、どれもちょっとした一工夫で日本人の味覚に合うものばかりで美味しく出来ました。<P>中でも、「牛肉のギネス煮」はお薦めの一品。ビールを入れることによってお肉も軟らかくなるし、味にも独特の風味が出るんだなあ、という事を発見してからは、色々な料理で応用しています。<P>食文化を通じてアイルランドの人々の生活感や歴史を知る、良い機会になると思います。