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心理系大学院英語問題と解答 ( 中央ゼミナール )

 よく編集されていて、英語問題の和訳についても概ね良好ではあるが、ところどころ誤訳や不適切な処理がある。たとえば、p.11の下線部①の訳。「創造の領域と欲求の再認における心理学的変化」とか「以下のL先生との3年間の分析における初期の夢の分析」(p.15)は英文構造に対する誤解から来る典型的な誤訳。L先生は治療者ではなく患者である。模範解答の言葉をできるだけ尊重した訳をすれば「欲求の創造と再認識という領域における心理的変化」であろうし、「夢分析に入って3年目の初めにL先生によって提示された以下の夢の内容は、そのような変化を示している」となるのではないだろうか。<BR> また、p.63・第2段落のanthropologist Marquisa La Velle では、anthropologist(人類学者)の訳が抜けている(全訳として模範解答されているのに)。anthropologist はギリシア語男性名詞 anthropos(人間)を語源とする。他にもいくつか首をかしげたくなる訳がある。また難易度の評価についても果たして適切といえるか疑問がある。解答者の実力を反映した難易度評価となっていないだろうか。<BR> しかし、全体的な評価としては、非常に参考になるのではないか。優れた翻訳がなされているところも多いことから、分担して翻訳がされているのではないかと思う。

心理系の大学院の過去問を集めた問題集である。英語と専門問題の両方が収められているが、名前が示す通り英語にウエイトを置いた問題集である。まず、英語の問題を大学院の過去問から厳選し、解答つきで纏めた問題集はほとんど無いので、それだけでも評価に値する。<P>英語問題でしばしば出題されるのは、全訳形式の問題である。この問題集を一通りこなせば、どういった邦訳が要求されるかが理解できることと思う。因みにこの教材の邦訳は非常に上手い。<P>専門問題のほうも、幅広い大学院の過去問が収められており、選択問題から記述問題まで幅広い学習が出来る。しかし、こちらは解答が無いので自分で解答を捻出する努力が要求される。<P>大学院受験では英語が鍵を握ると言われる。専門科目より英語において点数に差が出易いとされているからだ。心理英語の勉強でお困りの方には、是非お勧めしたい一冊である。

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