自分は、大学院から経済学を学ぶことになった為、日本にだけでも何千とある経済学の本の中から何を読むべきか正直迷っていたのですが、このスティグリッツ氏の「入門経済学」を読む前に、「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」を読んでいたのもあって、この本に決めました。<P>正直この本は、最高です。何か経済学というか、もっと単純な言葉、例えば「社会のしくみ」を知るために読む本だと思います。最初から最後まで、その「しくみ」が明快で、数学の苦手な方でも、ほとんど経済の数式は出てこず、簡単に読める本です。なんともスラスラと読め、これから経済学を学ぼうとする人にはもちろんのこと、高校生でも、社会人の方でも読んでいただきたい本です。
経済学に限った事ではないのだが、一般に大学の教科書は日本の著者よりも米国の先生の書いたものが、明快でわかり易い良書が多い。これは米国では教授職が常に、研究と教育の成果を評価されて、成果がなければ解雇という市場原理が働いている事と、欧米人が日本人よりも1つの事柄を体系だって文章で説明する能力があるからと思われる。<P>本書は世界銀行副総裁、クリントン政権の経済諮問委員を歴任し、ノーベル賞受賞の理論と実務で最高峰の経済学者スティグリッツ氏による、経済学の入門の教科書である。文章は平易、明快で用語の説明だけに始終せず、経済学を学ぶという事の意味が思想として伝わってくる名著である。<P>レビュアーは一般読者として読んだ。500ページの大書であるが、一般書と変わりなく、かつ大きな知的充実感の得る事ができた。<P>次のような方々にぜひ一読をお薦めしたい。<P>高校生:経済学部を選ぼうか悩んでいる<P>経済学部生:受験塾の講義はよく理解できたが、大学の授業はわかりにくい、 先生が良くないのか、教科書が悪いのか、自分の能力のせいか疑問。<P>職活の学生さん:経済専攻ではないが希望する会社にはいるため、スキルアップをしておきたい