サッカーと学校教育の中でしか接することができなかったJリーグ以前学生だった自分にとって、サッカーをビジネスとして日本有数の産業まで押し上げた人たちがどんな人たちなのか、この本で初めてよく分かった。<P>どんなスキルや経験をもった人たちがどんな志で作り上げたのか?<BR>一から作り上げたのか?たたき台があって改良を重ねたのか?<P>また、入場料やグッズを買う時に、自分なりの商品価値と比べて高いか安いか、大変役立つと思います。マネジメントをちゃんとやってるか見極めなきゃ相手のためにも良くならないですから。
本書は、一読する限り、タイトルと内容がちょっとかけ離れているなと感じた。「Jリーグのマネジメント」と題するからには、Jリーグ発足後から今日までのマネジメントのありようについて検証されているのか、と思ったからである。本書は「Jリーグが成功している」という「前提」に立って、では「この成功はどこに起因しているのか」について、著者は「Jリーグを発足させるにあたって、当事者たちがいかに制度設計を巧妙に行ったか」に原因を求めている。そして、その当事者たちからヒアリング行うなどして、いかに生成されたか、を詳細にまとめている。<P> 著者は本書の目的について「Jリーグという成功体験をナレッジ化してその後の共通認識を得」るということにあるしているが、正直言って当時の制度設計にかかわった人々がベストアンドブライテストな人々だったからだ、という程度の認識しかえられない。大いに物足りない。この後の第2第3弾の研究に期待して星3つ。
タイミングと人がうまくマッチしたことで、今までの日本にない成功を見たJリーグ。その成功要因を、データと関係者へのインタビューでクールにまとめた一冊です。<BR>Jリーグの分析もさることながら、ロス五輪前後から一気に広がり、ISLの破綻などにつながるスポーツ・バブルにも大きく紙数を割いており、プロ野球騒動に揺れた日本のこれからのスポーツ・ビジネスを追う上で、大変参考になる論文だと思います。<BR>面白いのが、広瀬氏はJリーグが企画された当時、電通のスポーツ・ビジネス・プロデューサーとしてW杯やトヨタカップ等のサッカーに大きく関わっていたにもかかわらず、Jリーグのプロデュースは博報堂が担当することになり、開幕を客席で忸怩たる思いのもとに見つめたそうです。<BR>「百年構想」の名の通り、目前の利益拡大だけを追い求めるだけではなく、世界の中での日本の位置をどう考えていくのか、スポーツ以外の分野においても重要となるコンセプトが示されています。