構想力と現場力をつなげる「組織力」をどうやって高めるかということを述べている本。<P>組織力とは、業務遂行力×戦略能力 の結果。<BR>そして組織力を高めるのは中間管理職であるマネジャがそのキーを握っている、というもの。<P>組織力の定義から始まり、組織力が発揮できない原因、その後「業務遂行能力」と「戦略能力」を定義し、組織変革を拒む要因、最後にマネジャとしての心構えが述べられています。<P>7Sでいうとスキル、人材について述べており、「戦略能力」の定義まででも今までの組織論にはない、マネジャとしてのスキルを述べており、一読の価値は十分にあると思うが、マネジャの心構えを述べている最終章は今まで現場を経験した「リーダーシップを発揮することの難しさ」を述べている。<BR>特に「主観性を持つことの重要性」と「使命感を持つこと」の2つの項目には、目を覚まされる思いがした。<P>中間管理職でチームをどうマネジメントしていくか悩まれている方、必読の書だと思います。
本著「組織力を高める」は、「成長する大きな市場と豊富で均質な労働力が自然に手に入る」幸せな時代が終わり、今の企業の業績を左右する「組織力」に焦点をあて、組織力の構成要素や向上のための処方箋を明らかにした一冊。組織力を高めるキードライバーは、経験と権限を持ち、経営にも現場にも関わっていけるミドルマネジメントにあると喝破し、マネジャーの視点から「組織力」を考える構成になっている。<P>本の中では、「組織力」とは「組織が自らを変革し結果を出していく力」と定義され、その「組織力」は「遂行能力」×「戦略能力」に分解している。「遂行能力」とは「物事を着実に実行していく力」であり、「戦略能力」とは「顧客を起点とした戦略(資源配分とその運用方針)を策定していく力」。二つはそれぞれ二段階に分かれ、両方とも高い段階にある組織、すなわち期待を超える遂行能力を持ち、シンプルで整合性のあるビジネスモデルが組織と顧客の共有する場を通じて能動的に進化していく戦略能力を持つ組織が、最強の「組織力」を持った組織であり、長期的に継続してよい結果を出せるとしている。いうなればトヨタか。<P>その「組織力」を阻害する要因として、「情報の減衰(伝言ゲーム)」「力の減衰(スタッフとマネジャーがかみあっていない)」「フィードバックループの減衰(PDSサイクルがまわっていない)」「顧客の声の減衰(官僚化)」の4つをあげている。この4つの阻害要因を防ぐカギもまたマネジャーにあり、マネジャーはオーバーアチーブするリーダーシップを発揮し、戦略マインド(確固たる理屈のフィルターを通して、自社の事業の本質を見極め、向上させていく力)を持ち、正しい意思決定を行って行かないといけないと説く。<P>GMSで一緒に講師しているローランドベルガー平井さんが書かれただけあって、非常にロジカルかつ実践的。トップと現場の板ばさみになって日々悩んでいるミドルマネジメントはもちろん、マネジャーを志すスタッフ層、組織がついてこないと悩むトップ層にも読んでいただきたいっ。(テレンス・リー調で)
「組織力を高める」と有る通り、<BR>一貫して「最強の組織」を目指す為のエッセンスが詰まっている良書。<BR>内容は非常に整理されており、二つの切り口からアプローチしている。<BR>この切り口が大変わかりやすい。<BR>本書では組織力を、<BR>「組織力=遂行能力×戦略能力」<BR>と因数分解し定義している。<P>その2つの能力をさらにブレイクダウンしていき、<BR>最後に拡散したサポートラインを収束させていくので、<BR>読んでいて理解しやすい、読み手の立場にも配慮した作りとなっている。<P>何が組織として重要なのか?<BR>今の組織に問題があるとしたらどこにあるのか?<BR>そしてそれは変える事が出来るのか?<BR>本書は見事に回答を出している。<P>また社会人として、組織人として、<BR>将来の進むべき方向性(キャリア)についても言及されており、<BR>大変贅沢な内容となっている。<P>今の組織に疑問がある、マネージャーとして今後どうすべきか悩んでいる、<BR>肩書きが無くとも会社や自分のキャリアに磨きをかけたい、<BR>そう思っている方にはこれ以上ない非常に推薦出来る良書である。