マッキンゼー流と銘打たれているものの、本書で紹介されているチャートは基本的に5種類、どのチャートも馴染みのあるオーソドックスなものです。また、チャート作成ガイドライン、メッセージタイトルの付け方等も紹介されており、実用的な内容となっています。<P>但し、2点ほど注意する必要があると思います。<P>1点目は本書に書かれている内容は「図解の基本」とも言うべきオーソドックスな内容であり、斬新なチャートを期待すると少し失望するかもしれないということです。2点目は、「図解の技術」という書名からも明らかなように、まず『伝えたいメッセージ(内容)ありき』ということです。本書はそのメッセージを効果的に伝えるために「どのようなチャートを選択すべきか」、「チャート作成時の留意点は何か」という観点から書かれており、「メッセージ」(内容)に至るプロセス(問題分析方法や解決手法)は扱っていません。したがって、マッキンゼー流のコンサル手法も知りたいという方には期待に沿わないと思います。<P>しかしながら本書は、経験者にとっては自己のプレゼンを反省し、また初心者は基本的なフレームワークが習得できるという点で、初心者から上級者まで使える本だと思います。
本書の第一章で述べられているように、良く考えられデザインされたチャートは我々のプレゼンテーションの効率を高めてくれます。この本は、良いチャートの事例集ではなく、悪いチャートが引き起こす弊害やチャートを見ている人がどのように勘違いを起こすかなどにも触れていて、プレゼンテーションの初心者は勿論、ベテランのプレゼンターも一読する価値のある本だと思います。特にビジネスで多くの人にに対して同じ認識を持たせたいと思う場面の多い方は必読です。
価格も高めで頁も多い本です。しかもタイトルに「マッキンゼー」。しかし、中身が盛り沢山という訳ではありません。難しい訳でもありません。仕事する上で「役に立つ箇所」はそんなにありません。それ以外は読み飛ばしてもいいと個人的には思います。<P>でも、その「役に立つ箇所」はメチャメチャ重要だと思いました。メッセージはベーシックだけど、覚えておいて損はありません。早速、手帳に要点をメモしました。<P>なお、この本のテーマは、「グラフの選び方・作り方」です。あくまでもデータをどう表現するかについて書かれている本です。アイデアを図解するということは書いてありませんのであしからず。