酒田罫線法の研究本としては秀逸だと思います。<BR>残念なのは3本新値建ち5本新値落ちという手法で取れる銘柄が今となっては見当たらなかったこと。探せばあるかもしれませんが。<BR>でも、システムの考え方って基本はこういうことなんです。システムトレードかくあるべし、という事例が書いてある本です。<BR>システム取引って何なんだということがわからない人がこの本を読んでもシステムトレードが理解できるわけじゃ無いかもしれませんが、考え方として正しいことを書いている本だと思う。そして本質的なことは昔も今も変わってないなと、思いを新たにする本です。
相場用語に「チャブつく」という言葉があります。目先の相場の動きに翻弄されて、打つ手がことごとく裏目にでることです。このことから相場には大局的な判断が重要と思いこんでいました。<P> ところが、本書ではダウ理論との比較で酒田罫線の目先重視の考え方が冒頭に紹介され、「プロは目先 アマは大局」という章が設けられています(「商品相場の技術」においても林氏はプロは目先の「リズム」を大事にしなければならないと述べておられます)。<P> 本書を初めて読んだときに、ここが全く理解出来ず、本棚で眠らせていました。ラリーウィリアムズの「相場で儲ける法」や「短期売買売買法」を読み返している時に、目先の価格の動きから中期、長期へと波動が重なっていくメカニズムの説明を読んだ時、長期のトレンドの判断を持たない酒田罫線の偉大さがよく理解できた記憶があります(自己組織化などという概念すらない江戸時代にカオスから一定の秩序が生成されてくるプロセスにおいて初期条件の重要性を知っていた日本の相場師の偉さを再認識しました)。<P> 本書は罫線の判断については文句なしにお奨め出来る書物で、☆5個の内容です。ただし、本質をズバリと端的に突く表現とトレンド系のテクニカル分析の先入観で読んでしまうと痛い目に合う(かつての自分への自戒を込め)ので要注意の意味で☆1個減とします。<P> <BR>
具体的技法書である。<BR>抽象的なトレンドなどを一切使わない、今巷にある本とは真逆の本といってもいいだろう。統計の数字は少々古いが、長い年月伝えられた法なだけに信頼性も高い。<BR>今はパフォーマンス計測中だが、やっと自分にあった手法にあった気はしている。