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| 会計監査論
(
山浦 久司
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本書は、会計監査論の第一人者である筆者の手による概説書である。監査基準の改訂等に携わった筆者の権威からして、実務家や会計士受験生にとって、最新の見解が得られる、本書の改訂は歓迎されるべきである。<P> まえがきにある通り、第3版の改訂に際して、本書は「会計監査の理論書としての役割だけでなく、監査実務の現場にも対応できる性格の書」へと転身し、監査戦略の展開や会計監査の実施につき、紙数を割いた。<P> ただ、そのことは、逆に理論書としての本書の良さを削ぐことになったのではないかと、評者は考える。依拠した参考文献の引用を減らし、自説の展開を抑制したことは、「筆者の本意ではない」(まえがき)本書の改訂であったのではなかろうか?<P> 激動する監査環境の下で、本書が!うべき職責は大きい。そうであるがゆえに、読者は本書を超え、新たな監査実務、理論を築いていかねばなるまい。
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