とある専門家グループ会合で、初めて会い、この本を寄贈されました。出版社が昔懐かしいお付き合いあったこともあり、この本に親しみを感じました。それ以上に、内容が直接お会いした著者のお人柄そのものが滲み出ている、好書ですね。<BR>数々の専門職をご経験され、公認会計士におなりになり、これを上梓された模様です。でも、むしろ会計士’らしくない’書き方とそのアプローチです。ぜひ、CEOの方(+それを目指すYoung Turksご一同!)、これは類書と一線を画す、経営分析書ですよ。著者の実務経験とご見識が、至るところに開示されており、何回も読んでほしい。そして、ブレストのテーマにもしてほしい。そして、そのまま実行してほしい。Walk the Talk -- ですよ。<BR>私は、いわば同業他者?(的立場)として見ても、’オヌシ、よくやるわ!’とエールを送ってやりたい。<BR>The proof of the pudding is in the eating ーー とは、この本の為にあることわざ、か。。。 Good reading !<BR>
~決算書の読み方などという本はそれこそ世の中に掃いて捨てるほどあるわけですが、結局分析指標の説明とその実例に終始しているものが多いわけです。それが財務分析の限界とばかりに。<BR>~~ そこを、本書では理解を進める道筋をあらかじめ示し、それに沿って「使える指標」「使えない指標」を一刀両断のもとに選り分けていきます。まさに気分爽快、目から鱗です。<BR>~~ たとえば「あえてEBITDAを利用する意図が理解できない」と書かれてしまうと、今までやってきたことは何だったのかと少し鬱になりますが、そのあたりも論証されていて最後には清々しくさえ感じます。<BR>~~ 私は信用分析の一助として本書を利用しますが、株式運用をする人も役立つと思います(ファンダメンタルズ派の人限定)。本書の主題は、企業価値と資金流動性ですから。<BR>上の方も書評を寄せているとおり、著者はまさに名探偵、へたな推理小説を読むならこちらを読まれた方が読後感はすっきりします。ただしできればケーススタディの拡大を希望!~
●第5章「ケース・スタディ」は迫力満点です。筆者が、ユニクロ、イトーヨーカ堂、イオンの3つの企業をこの本の中で紹介した手法で分析していくのですが、推理小説を読んでいるような気分です。数字、数字の連続ですが、その数字が「可愛い妖精」に思えてくるから不思議で、一気に読ませるのは、著者の並々ならぬ力量を感じます。3社に対する総合コメントは読んでいて一番面白く感じた部分です。<P>●経営分析として、バナナの叩き売り”を取り上げたことで、他の経営分析書との勝負が決まり、一歩も二歩も先を走ったことになります。皆が知っていて、しかもあの口上で本当に儲かっているのか?との疑問に見事に答えると同時に、それが勉強になっているのですから大変上手な設定と感じました。<P>●随所に著者の小気味良い語り口が出ています。例えば、日本経済の沈滞化の原因、日本の経理実務の現状、棚卸資産での原価法採用理由、大阪商人論、サッカー論などです。各章の終わりにある「重要ポイント」と、その前の「コラム」は、読者に一息つかせてその章のポイントを復習させる憎い構成です。