効果的な自己主張や意思疎通が苦手で、「藁」を掴むつもりで手にした本書だが大変な「武器」になりそうなポテンシャルを発見!正直、前半の三角ロジックの記述はパワーポイントに出てきそうな概念の適当な視覚化と感じた。が、後述の応用例と合わせ読むと「主張」にはデータに裏打ちされた論拠があるべき事が(当然なのだが)、心に沁みる様に分かりやすく説明されていた。上手なロジックが人の主張をここまで分かりやすくするものかとちょっと感動。会議司会例他の、良い・悪い例も陥りがちな悪癖を明快に指摘してあり、応用例が興味深い。周りにも「悪い例」に登場しそうな人がいっぱいで本書で勉強して欲しいです。
カルロス・ゴーンを褒め過ぎで、そんなに引き合いにださなくても良いだろと思ったし、それしか例がないの?と読んでる途中でかなり気になった。こういう物かもしれないが、くどいぐらい何度も同じことを書き連ねているので前半、後半と内容に大差がない。そして、カタカナ(英語)で表すか日本語で表すかが曖昧なので凄く抽象的に受け止めざる得ない部分もいくつかあった。これが良書であるかと言えば疑問である。丁寧に説明されているようだが回りくどいとしか思えなかった。
ビジネスマンの独習教材としての実用性は高い。理由は2つ。一つはスーツの胸ポケットに入る大きさで、通勤時にも読め、本文正味152ページは熟読しても3時間で足りる。二つ目に表層的説明だけではなく実務的活用方法が例示されており、いくつかの技法はそのまま使える。タイトルは入門となっているが、実践場面のチェックリスト的活用まで可能。ページ数の割りに使えるので投資効率は高い。手法がディベートに偏っているが、広く薄くは実務では案外使えないので、このように絞り込んだモノの方が実践的でよい。