V字回復という言葉がはやっているが、いったい本当の意味は何なのか?またぞろ米国流の新しい経営用語が輸入されたのか?と疑心暗鬼でとりあえず本書を購入し読み始めたら、止まらない。時間を惜しんで二日で読みました。読ませるだけの内容の濃さがあります。「泣けて」「感動し」「経営リテラシーの勉強にもなる」ビジネス書というのはめったにありません。著者が最後に「私は本書を自分のビジネス人生の総決算のつもりで書いた」と言っているが真実でしょう。私もいっぱしのビジネスマンの端くれとしていくつかの経営書を手にしてきましたが、本書ほど感情移入でき、なおかつ、経営改革の本当の姿を、まるで自分がその会社の当事者のような感覚で夢中になって読んだビジネス書は他にありません。勿論、自分が勤務する会社をストーリーに重ね合わせてしまいますが、それが、「体験」を益々増幅させます。また著者の本書の構成、文体、表現などは驚くほど緻密で手抜きは一切ないと断言してよいのではないでしょうか。現場の生の話を元に書かれた本書の前では、あまた書店の店頭に並ぶ経営指南書の山は色あせてみえます。「読む」というより「体験する」機会を持てる本書に出会えて本当によかったと思います。三枝氏の他の著作も引き続きぜひ読みたいと思います。
最近はいろいろなコンサル会社の方がこのスタイルを真似ているようだが、やはり三枝氏の豊かなコンサルティング経験からくる現実感は群を抜いていると思う。戦略とは何か?理論ではなく企業、組織、人間という立場を忘れがちな本が多い中で非常に参考になる。
最近の経営指南書、企業小説の中では秀作です。<BR>なぜなら読む者、特にやる気があっても踏ん切りのつかない人に<BR>勇気と希望を与えるからです。<BR>本の役割はこれで十分です。<BR>後は自分で切り開くしかありません。<BR>続編、特に企業小説風のものを期待しています。<BR>城山三郎、高杉良に続く人がいないので寂しい思いをしていまので。