母思いの優しさ、一方では自らに課した目標を必ず実行する厳しさ。この二律背反性を持つ男は経済界だけではなく、あらゆる局面での指導者となり得る。
経営学を学んでいる身分でありながら、今まで<BR>ジャックウェルチ、そしてGEについてあまり<BR>知りませんでした。<P>金融事業をやっているとか、ナンバーワン、ナンバーツー<BR>戦略とかは講義で聞いたことはありましたが、読んでみると、<BR>何でも屋さんなんだなーと感心しました。<P>カタカナ(名前、地名など)が多く、読んでいる途中で誰が誰だか<BR>分からなくなってしまうこともありましたが、幼少の頃からの詳<BR>しい話がぎっしり詰まった一冊なので、伝記のように楽しんで読める<BR>と思います。
本国出版、日経連載、日本語出版の間が1ヶ月という早業だったと思いますが、今回の文庫化も、M&Aが話題の今、ある意味ジャストタイミング。<P>まず注目は事業戦略。№1・№2戦略は、実践例と共に読む者をひきつけます。一方で買収企業の企業文化がGEのそれと相容れるかを重視していることもわかります。組織戦略、人材戦略においてもそうですが、“価値観”重視です。その人材戦略の1つ、トップ20%がA、活性化すべきは真ん中70%のBの人達、ボトム10%のCの人は去ってもらうというのは管理職の話ですが、徹底しています。S社では早速マネして社員に導入し、解雇争議となり会社側敗訴でした。<P>一時期“日本版ウェルチ待望論”がありましたが、大企業でどれだけそうした事例があったか。日本的リーダーシップとなるとまた違ってくるのか。自分の上司やライバルがこんな人だったらちょっとキツイ…とも思いました。