筆者は広告主企業と広告会社で四〇年以上にわたりマーケティングとマーケティングリサーチに携わった実務家。書き手がそうなら、具体的なエピソードの本か、あるいは初心者向けのハウツー本かと思う方も多いのではないか。他方、「マーケティングリサーチ」のやや高額な書ということから、統計理論の数式が満載された専門書か、あるいは実務からはやや遠いような教科書かと想像する方もいるだろう。<BR>しかしながら本書はそのいずれでもない。あくまでもマーケティングリサーチの実務や調査課題に沿って、かつインターネット調査手法やハイテク製品調査課題など今日的な論点も含め、調査が必要な状況に照らして体系的に整理がなされる。統計学の基本は押えつつもリサーチ管理の視点が貫かれる。ありそうでなかった正統的かつ今日的な「マーケターのためのリサーチのテキスト」を手に出来ることを喜びたい。
じゅくり読んでみた。マーケティングリサーチのあらゆる領域についてよく研究しているので驚いた。CRMの1つのツールである。<BR>1-to-1マーケティングの実践企業事例(トヨタ、デル、アムウェイ)も参考になった。また、インターネット調査のこれからの展望は的を得ていると思う。さらに、巻末のマーケティングリサーチの基礎用語集を読んで、用語の意味がよく理解でき、頭がすっきりした。