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発声と身体のレッスン―魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために ( 鴻上 尚史 )

レッスンはもりだくさんで、本格的な内容です。ただ、一般人で発声が明瞭でなく聞き返される、教師やプレゼンテーションする機会の多い方がちょっとやってみよう、というモチベーションでは、専門性が高く続かないと思います。<BR> 著者も287pで「また、一般向けに「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」という本が出ています。この本が専門的に過ぎると感じた人は、そちらをどうぞ。」と書かれています。( )で単行本の発行年月日などが書かれていましたが省略しました。2003年に同著書名で文庫になっています。<BR> 私はそちらを実践してみようと思います。

演劇の世界の住人はこの本から計り知れない恩恵を受けているだろう。教育関係者はpp.102-103 の『溶ける子音』の記述に大笑いし、pp.122-125 の滑舌に関する記述などを読んで自信を持って指導に当たれるだろう。教育関係者だけでなく、スポーツを指導するコーチにとっても、独善的な『正しい』姿勢やフォームの押しつけを見直し、選手一人一人の骨格・体格に見合った動きを発見する手伝いをするヒントが見つかるだろう。とりわけ『リラックスした体』(p.173)の部分は何度も読み込んでほしい。個人的には学生時代に、竹内敏晴の一連のレッスンに傾倒していたこともあり、非常にスムーズに内容について行けた。ベストセラーになる資格十分の良書である。

最近、講演をすることが多くなってきてたのですが、一度もボイス・ティーチャーなどにはついたこともなく困っていました。もちろん日本ではそうそう簡単にボイス・ティーチャーが見つかるわけもなく仕方がないので声に関する本やスピーチの本を何冊か買い込みました。もし同じ立場の人がいて、本を探すというのであればファーストチョイスとしてこの本をお勧めします。この本のすばらしいところは、単なるHOW-TOというレベルではなく「何故」が書かれている点でしょう。他の本は背景となる考え方がほとんどなく経験を述べているようにしか見えません。一方、この本はきちんと問題点の背景を分析・整理し、その解決策として具体的に何をすべきかということを示しています。著者のバックグラウンドである長い演出家経験から来るすばらしい観察力も含め非常に説得力のある内容であるといえます。

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発声と身体のレッスン―魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために
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