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チェ・ゲバラ―フォト・バイオグラフィ ( イルダ バリオ ギャレス ジェンキンズ Hilda Barrio Gareth Jenkins 鈴木 淑美 )

原書題名の通りの「ハンドブック」。<BR>膨大なフォトグラフ、いくつかのチェに近しい人間の回想的インタビュー、<BR>そして若干の彼の人生に関する文章的記述からなる。<P>批判的精神だとか、なんだとか、小難しく考えなくて良い<BR>…それが本書の最良の部分だろう。<P>思想としての共産主義、社会主義が破産しきってしまった現在、<BR>思想的なアプローチからチェを読み解こうとしたところで、<BR>各種のバイアスはどうしたって掛かる。<BR>本書をそうしたアプローチで読もうとしてもおのずから限界がある。<P>生誕から非業の死、そして死後…。<BR>前世紀の半ばを痛快に生きた、一人の冒険家的な軍事的英雄…<BR>その人生を人となりから味わいたいという人向けだ。<BR>純粋にチェの人となりと歩んだ道程を読んで、見て、楽しもう。<BR>本書はそのための本だ。

とても血なまぐさい経験を重ねながら、血のりをきれいにはじく様な力強い美しさを持った人物。共産主義に不自然に傾倒もしていない。コアな部分がよほどしっかりしているのだろう。 しかも私的部分では結構やんちゃで子供っぽい部分も併せ持つ。 ある程度は美化しすぎているのだろうけど人間としての構成がとてもエレガントでパワフルかつセクシー! たくさんの写真とエピソードからこんなゲバラ像が出来上がりました。 <BR>今の日本やアメリカじゃ彼の抱いた価値観は存在し得ないのだろう・・<BR>ゲバラが生きていれば、今のイラクをどう思っただろう?

 イラクの動向が気になる時期、いいタイミングでの出版だったのではないだろうか。<P> アメリカのイラク介入時、様々な思いがうごめく中、この一人の天才革命家に想いを馳せていた人々も決して少なくなかったと思う。<P> それは、彼が生涯を通じて求め続けた「民主的な革命の在り方」に関して、今回の問題は多分に考慮すべき点を要しているからに他ならない。<P> 今回の戦争では、外にも様々な争点が浮かび上る結果となったが(劣化ウラン弾の使用による兵器問題なども深刻な問題の一つ)この問題は当事国民の主体性や戦後統治に密接に関わる問題だけに重要性が非常に高いと思われる。<P> 現実的な政府転覆を考えた場合、ゲバラの手法による革命実現の困難さ(キューバ革命以降、彼自身も革命による政権打倒を成功させることができなかった。)は認めつつも、そこにこそ真の革命はありえないのではないかと思うのは私だけだろうか?<P> <BR> <P> というわけで、この本の中のゲバラの声に耳を傾けつつ、今後のイラク情勢を注意深く見守ってそこから大いに学んでみるのもいいのではないでしょうか?

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