グラフ理論についていちども講義を受けたことがない人、独学に基礎の裏打ちをしたい人向け。<P>グラフ理論について。これだけ読めばグラフ理論の基礎として十分。それでいて、まずまずわかりよい。<P>最適化について。この本は、グラフと組合せ論的最適化について書いてあるとあるが、グラフ理論やアルゴリズム論の基礎を超えていない。線形計画法以外の最適化は、期待しないほうがいい。<BR>個人的に。アルゴリズム論の簡単な講義を受けた身としては、ちょっと基礎的すぎたようだ。人にグラフ理論の基礎を説明するときの参考書として使う予定。<P>最後に。日本語でのグラフ理論の用語は、異なる意味に似た単語を使用している。このため、さらに理解するため、特に英文を読むためには、英語の用語を知っておいたほうがよい。本書では、本文中では一般的な日本語の用語のみを使用しているが、索引には英文用語も提示してある。読み終わったら、索引を斜め読みしておくことを勧める。
今回刊行された第8版では、最適化手法の巻が含まれていると知り、早速購入した。私は第2版の読者であるが、当時は、最適化手法は専門共通の時間には行われず、土木計画学演習などの時間に学んでいた。そこで、最近では専門共通で重視されるようになったと言われる最適化手法とグラフ理論について、専門共通で学ぶべき範囲の標準と考えられている本シリーズでどの程度の内容が盛り込まれているか知りたいと考えたため購入したものである。それと、実務では必ずしも実用数学のすべての分野を常に網羅的に使用しているわけではないことが多いので、従来より本シリーズに慣れた読者が、数学力の維持のために、時々、引っ張り出しては演習問題をやるのにちょうど具合が良いと考えられる。