~ロジカルシンキングやコミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキルを身に付けた優秀なコンサルタントが、その技術と経験をぞんぶんに生かして書いた本です。<BR>仕事術、最低限知っておくべき知識(MBAのコース含む)、そして心構えと、取り扱っている内容の幅は広く、書き方は端的で明快です。<BR>経営コンサルタントに転身してからの自身の苦闘を顧みて~~、今の若者たちにアドバイスを贈ろうという、その著述の動機も感動的です。<P>ただ、上記のような特長は、裏をかえすと「経営コンサルタントによる、経営コンサルタントのためだけの本」になっている、ということなのかもしれません。<BR>私はシステムエンジニアを生業にしていますが、この本を読み終わって「ああ、いい本だった。さて、...僕はこれからどうし~~ようか?」と考えてしまいました。「はて?僕はこの先、経営者人材に成長したいのかな?」と。<BR>著者は「経営者人材」を目指せ、といいますが、そんな気が無ければ、読んでもどうにもなりません。<BR>私の職種、あるいは仕事に対するスタンスの問題なのかもしれませんが、どうも本当の意味で「読みこなす」のは簡単では無いのではないかと思いました。<P>とは~~いえ、読めば「どういうふうに本は書くべきか」「MBAを目指すとはどういうことか、何を学ぶのか」など、多くのことを知ることができますし、また「コンサルタント」がどんな風に考えて、働いているのか知ることができます。お勧めできる本です。~
いま20代から30代のビジネスマンはものすごい危機意識を感じていると思う。とにかく自分の「市場価値」を上げなければいけないと思っていて、せっせと勉強や人脈作りに時間を使って、ふと横を見ると、ビジネススクールを出てもいない堀江貴文や藤田晋がものすごい勝ち組になっている。<P>この本は、MBAに代表されるビジネススキルは、すでにコモディティに成り下がっていると言い切る。(たしかにそのとおりだと思う)そして、必要最低条件であるそれらのスキルを超速で身につけた上で、どうやって自分の成長戦略を描くかを書いている。<P>「勝ち組」になるための即効性のある処方箋が書かれているわけではない。言われてみれば当たり前、という話も多い。しかし、一流のビジネスパーソンになるために必要なものがぎっしり詰まった本であることは間違いない。<P>勉強法から仕事術、思考・発想法から、成功するためにそもそもどのような価値観を持ちどのように生きるべきか、まで書かれている。<P>手元に置いて、たまに読み返しては、書かれていることを咀嚼し直しながら仕事していきたいと思う。<P>(7章の「30分MBA講義」は、少しでもかじった人が読むと、そのあまりのシンプルさに笑える。ファイナンスやマーケ、ロジカルシンキングの要諦が3行ずつになってしまっていて、確かにモレはない)
著者の問題意識は、大衆化するロジカルシンキングやMBA的なビジネススキル情報に右往左往する若者やその戦略性の欠如に端を発しています。そしてそのような問題を回避するために、まずは自分の頭で明確な成長戦略を描くべきだ、と指摘します。この点著者の戦略コンサルタントとしての経験や視点から、戦略は何をしないかを決めることであるとか、アウトプット志向でスキルをマスターしないといけないとか、言われてみると当たり前ですが非常に重要なヒントが提示されています。また時間の使い方に関する著者の提案などもあり、得るものがあります。いろんなビジネス本を読んでいても、本当にそれでよいのか、何か違うのではないか、と普段何となく思っている人は手にとって読む価値があると思います。