ホメずにいられない―オイラが出会った“ホンモノ”なヒト・モノ・クルマ みんなこんな本を読んできた ホメずにいられない―オイラが出会った“ホンモノ”なヒト・モノ・クルマ
 
 
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ホメずにいられない―オイラが出会った“ホンモノ”なヒト・モノ・クルマ ( 福野 礼一郎 )

文がいまいち面白くない、しつこい。書いてある事がウソくさい。<BR>エンスー病は治らない、エンスー養成講座の方が数段面白い。

雑誌CarExに連載していた記事の総集編である。<BR>まず読み物として引き込まれる魅力がある。単純におもしろい。<BR>物を作る立場の人間や車好きを自認する人なら尚更だと思う。<BR>が自動車評論の本ではない。<BR>著者は自動車評論家として活躍中だが、そのいかがわしくも怪しい世界の中で<BR>正しい目を持ちつつ文章を読ませる事のできる数少ない人である。<P>氏のように物を正しい角度または多面的な角度から見れる人間になりたい。<BR>きっかけにどうぞ。私は人生変わりました。

 収録されている文章はみんな素晴らしいが、一番、感心したのは、やたら調子のいい「広報車」のワケを知るために、自分の買ったマシンをバラしてまでエンジンの秘密を知ろうとする「チューニングの秘密」のエピソード。<P> 調子のいい広報車についダマされて新車を買ってしまった自動車評論家の福野氏は、あまりの出力の差にアタマに来て、知り合いのエンジン屋「ユウジ」に頼んで、広報車と福野氏所有のクルマをバラす。しかし、広報車のエンジンは「ノーマル」というのがユウジの答えだった。なぜだ、そんなハズはない。ゼロヨンで1秒は違うワケはなぜなんだと問いただす福野氏。そのワケは…。<P> 残留応力で歪んだ鋳鉄が、歪み戻りするまで待って芯を出したクランクシャフトやブロックを使っているからだという。つまり、徹底的に設計図通りの「ノーマル」なエンジンを積んでいたわけだ。市販の福野氏のピストンリングの外径のバラつきは12/100mmあったのに対し、広報車は5/100mmしかバラつきがなく、重さも均一だった。<P> 福野氏だけでなく読者も「徹底的にバラつきがない部品を使っているから20馬力もの差が出るのか」と小ざかしく理解したつもりになった時、ユウジはこう一喝する。エンジンは「何百もの部品が精密に複雑に噛み合わさってお互いスレ合って、キシミ合って、そいつで動いている精密機械、精密すぎて生き物みたいなったまった機械なのよ」「お前らド素人はエンジンってのがどういうもんか知りもしねえくせに、圧縮比だバルブタイミングがバルブリフトが何だかすぐぬかしやがって、うるせえってんだよ」「エンジンをなめんじゃねってんだよ」と(pp.18-19をアルンジ)。<P> 短いエピソードなのに、謎が謎を呼び、正解かと思ったさきに、さらに奥深い世界をかいまみさせてくれる。まさに上質の読み物としかいいようのない文章だ。

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