諸怪志異最新作。待ってました!<BR>シリーズ系諸星節は今作も健在。其処此処でニヤリ。<BR>続編が楽しみです。<BR>何年でも、じっくり待たせていただきます。
~諸星大二郎の何が魅力的かって、少年主人公の活躍でしょう。「暗黒神話」の山門武、「孔子暗黒伝」のハリ=ハラ、「西遊妖猿伝」の悟空……この『諸怪志異(四)燕見鬼』はそうした、作者ひさしぶりの、生き生きした少年主人公の物語なんです。<P>主人公のかたわらには謎のヒロイン。対するは悪の権化みたいな魔導士と妖術を使う女剣客。魔法を懸けられた予言書~~(ネクロノミコンの一種?)をめぐって、全員が複雑にからみあう。ちょっと主人公が強すぎる気もしますが、まあいいか。諸星先生は実はアクション場面もなかなか上手です(「西遊…」の悟空の大立ち回りとかすごいでしょ。あの雰囲気が復活してます)。<BR>謎のヒロイン小玉もいいですね。諸星先生の描く女性は実はけっこう色っぽい。最近の萌えブームはよくわ~~からないのですが、諸星女キャラにはグッと来る私です。<P>お話が完結していないのがみなさんご不満のようですが、この続きは「水滸伝」とか読むといいんじゃないかな。「西遊…」の元ネタが西遊記だけじゃなくて半分は水滸伝であるように、本作でも前巻で虎退治武松が登場しているように、諸星世界は実は水滸伝という大きな物語と連結しているのです。ちく~~ま文庫『水滸伝の世界』高島俊男がサブテキストとしておすすめです。<P>画のタッチがだいぶ全盛期と変わってしまいましたが、物語の巧みさ・壮大さは健在。このところ内省的な作品が続いた諸星先生ですが、ひさびさのスカッとする活劇ですよ。~
尻切れもいいとこだった前巻の続きとしては大満足。でも今回もある意味尻切れ。<BR>燕見鬼の活躍がほぼ全編なので、活劇的読み物として面白かった。<BR>1,2巻の一話完結的伝記も好きだったので、おまけで入ってた阿鬼時代の2編も面白かった。<BR>燕見鬼編の最後にあった文章を読むと、この後、もしかしたら続編は無いんじゃないかと言う恐れもあるが、そこは天に祈る気持ちで続編を待ち続けるほかない・・・。