イギリス型の生まれながらの階級固定社会化によって、<BR>活力が失われることへの危機感と、<BR>それに照らし合わせた日本の現状とについては理解できるが、<BR>そこに至る論考に厚みがなく、<P>1.自分の経験による安易なイギリス礼賛への批判<BR>2.日本的社会への違和感<P>の2つから警鐘の論拠とするのは無理がある。<BR>また、文章的には「笑いすぎ」。<BR>具体的で卑近な形に論を引き寄せるより、<BR>「おもしろがらせる」ことに力点が行っている。<BR>日本社会から飛び出した自分の成功に苦労があったに違いないので、<BR>自信があってもそれはそのとおりであろうと思うが、<BR>ネオ階級社会への警鐘としては起点であって、<BR>ずっと根拠にするのはちょっと?だった。<BR>経験談なら経験談に徹したほうが実感があるし、<BR>社会・経済という大枠で<BR>論難するなら経験の披露は一度でよい、と思う。
三流大学中退で、学歴コンプレックス一杯の著者による下品な本。 内容に緻密さを欠く。
『ネオ階級社会』とタイトルにありますが、教育面の記述も結構な分量です。それはそれでかまわないのですが、p172、p210等のように「ゆとり教育」、「詰め込み教育」、「日本の受験教育」はいずれも否定しています。それならそれで、それ以外の著者が肯定できる教育を具体的に示すべきであると私は思うのですが、それは一切、書かれていません。そのへんにやや不満が残りました。p142のイギリスの大学入試の階級差別のように、興味深い記述がありますから、買って損をすることはないですが。