国家の自縛 : 佐藤優

みんなこんな本を読んできた 国家の自縛

　 ●トップページ 　 ●研究員紹介 ●研究所規則 ●著作権・免責・リンク ●掲示板 ●更新情報

仕事関連

▼お仕事のご依頼

執筆、取材、講演のお問い合わせはこちらからお願いします。

▼広告のご依頼

MM-Labo.com内への広告のご希望はこちらからお願いします｡

国家の自縛 ( 佐藤優 )

産経新聞社「正論」編集長の斎藤勉氏と著者の対談をまとめたもの。 　正直言ってこの本を把握するのはとても難しい。　外務省の「赤Ｔシャツ」の滑稽さ、北朝鮮の訓話政治と拉致解決 の為の朝昇龍政治利用、中国の東アジア覇権と大東亜共栄圏の共通性、 プーチン政権のスターリン帝国主義体制化、ハーバーマスによる インテリとしてのネオコンの内在分析と批判、副総理直轄の専門 諜報機関の構築と、神皇正統記・太平記の再構築による「国体」 の物語化による滲み出る愛国主義教育の緩やかな浸透…　ともかくも博覧かつ浩瀚としか言いようがない。「佐藤優の 頭の中をごろりと示」した斎藤氏の手並みの鮮やかさには脱帽する。　著者も認めているように、著者は「『危険』な国家主義者」である。 　なので著者の発言は著者が示した立場から割り引かなければならない。　しかし、過激な排外言説としてのナショナリストでも、権威主義的 保守主義としてのナショナリズムでもない。かといって国家アリーナ を現実的なベースとした「リアリズム」国益論者には収まりきらない。 汎国家的な「究極の価値の実現」のために「究極以前の価値」としての 国家を媒介とする、広汎な可能性を秘めた「国家物語」の再構築を企図 していると言ったらあまりにも言い過ぎであろうか。　著者の立場の立論に賛意を持つか否かはさておいて、「国家」 「国益」と聞くだけで身震いする方にこそ、嫌味でもなんでもなく、 この刺激的な著作に対し冷静な一読を勧めたい。

佐藤氏の前作、本書と、氏の圧倒的な外交に対する経験値の高さ、と国家に対しての忠誠心を読み取ることが出来感銘を受けます。氏の力量を市井の評論家として埋没させるのはあまりに惜しく、国家として大きな損失であると明言します。造詣の深いロシア外交、対中対韓外交の氏の示す処方箋は明快で見事です。国際政治に興味のある方は是非一読されることをお勧めいたします。

これだけ優秀な人材を、外務省は平気で「罪」に陥れた。国民の公僕であるはずの役人が、国益を無視し、自己保身に走った無様な姿が克明に具体的な事象として文章に映し出されている。ただ逆説的な言い方になるが、彼、佐藤優が罪に問われなければ、この稀少な本は出版されなかったのである。それは以前上梓された「国家の罠」も同様である。ここまで「国の外交」における実態を、克明に、なおかつ、納得のいく十分な「情報」で教えてくれた本はかつてない。外交系ノンフィクションの多くは多分に胡散臭いものが多いと思っていたが、この本はまるで異なる。リアルなのだ。この本は霞ヶ関や永田町ではどの程度読まれているのであろうか。ここに記載された、一部の「国賊的行為」を犯した面々は、はたして読んでいるのであろうか。ともかくも「現行の外務省」を、郵政民営化を果たした首相や関係者の方々に、ぜひ読んでいただきたい「しろもの」である。次の「ターゲット」として。最後に、川口外相時代にできた「赤いTシャツ」には大笑いした。これらの改善策は、すべて、組織をぼろぼろにする施策である。（憐憫マキコが悪いんだけどね、元凶は。

国家の自縛 ↑ご購入はこちらからどうぞ。

管理人の書評：僕はこんな本を読んできた。はこちらからどうぞ。