ナチスによって収容所に入れられ、人間として扱われず<BR>人間としての存在すら認められない中で著者フランクルは<BR>妻との生活を想うとで「自分自身」を再確認して守って行く。<BR>人間の心はなんとすごい力をもっているのだろう。<BR>最近疲れ果てていた私の心はぼろぼろでした。<BR>この本を読んで、心にこんな力のあることに気付きました。<P> また、戦争の悲惨さについては極力ふれないように<BR>書かれていますが、それでも伝わってくる言葉のリアリティに<BR>心を打たれました。<BR>時間のあるときにじっくりと読むといい本だと思います。
「20世紀を代表する一冊」の旧版とは違う訳者による新訳。<P>私たちはなぜ生きるのか。<BR>この問いへの答えが今ほど切実に求められている時代はないだろう。<BR>「夜と霧」は単なる収容所生活のレポートではない。<P>それは圧倒的な絶望の中で生きた人々のたどりついた<BR>人間の最後のこころのとりでの記録である。<P>衣食住だけでなくすべての尊厳さえを奪われた収容所での生活。<BR>そこでフランクルが仲間と夕日を眺め、<BR>美しさに心奪われる場面がある。<P>人間はいかなる状況でも<BR>「こころの世界」、「内面的な世界」を失うことがないということは、<BR>心に人知れぬ悩みを抱えていた私にとっての大きな希望となり、<BR>苦悩への答えとなった。<P>わたしたちがどんなに最悪の状況でも<BR>「その状況に対する態度を決める自由」だけは決して失われない<BR>というフランクルの言葉は<BR>さまざまな問題を抱える今の日本に生きる私たちにとって<BR>力強い励まし、1つの答えとなるに違いないと思う。<P>人間の究極の「こころの世界」をえがくこの本は<BR>すべての人にすすめたい一冊である。
人生に意味を求めるのではなく、<BR>人生から、何を期待されているのかを考えるべきである。<BR>それが、彼のたどりついた結論ではないかと思います。<BR>あの大きな戦争が終わって60年が過ぎようとする今、<BR>歴史の証人は、全員高齢者です。<BR>もう一度、人は誰でもどのように残酷になれるのか、<BR>どのように希望を失ってしまうのか、<BR>どのようにそうした状況を克服していけるのかを<BR>考えるのは、大切なことのように思います。