私はまったく山登りには縁がありませんが友人に勧められて一気に読みました。<BR>登山家と言えば田部井淳子さん野口健さんしか知りませんがこんなすごい登山家が日本に居るとは知りませんでした。<P>マスコミの報道はどれだけ高い山を登ったかだけですが、「垂直の記憶」で山登りにもイロイロあり、ノーマルルートを大勢で登ったり、酸素ボンベイを使用したりしている登山家がほとんどなのに山野井泰史さんは未踏ルートをたった一人で酸素ボンベイを使用しないとは驚きです。<P>とくに多くの登山家が資金はスポンサーが出しているのに山野井さんは富士山の強力をしながら資金をためて登山をしている事にも感動しました。<BR>第7章は夫婦での奇跡の生還にはらはらどきどきの連続でした。
世界的にも最先端のクライミングを実践してきた山野井氏が初めて自書した一冊。<BR>この本は主にヒマラヤとカラコルムでの高所クライミングを7つの章に分けて書いている。<BR>いずれの章からも,氏が置かれた厳しい状況の中で何を考え,どうやってそれを乗り越えてきたのかが,<BR>文字からイマジネーションとなって読者の中に入り込んでくるだろう。<P>同時期に発刊された鈴木謙造氏の遺稿集もそうであるが,<BR>極限での登攀と,それに飲み込まれてしまわないセルフコントロール。<BR>そしてそれを終え,安全な場所に戻って何を思うか。<BR>自分とクライミングの関係を改めて考えさせられる。
生とは何か。<P>垂直。<BR>人が存在することを、<BR>自然が拒絶するかのような世界。<P>そこに、たった一人で立ち向かい、<BR>生と死の狭間で人が成り立ちうる事を、<BR>まるで証明しているように感じる。<P>クライマーとしてはもちろん、<BR>一度しかない人生を濃密に生きている姿勢も、<BR>尊敬せずにはいられない。<P>岩壁に向かう者の一人である私に、<BR>本当に多くの事を伝えてくれた、<BR>私のバイブルです。