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| チベットの白き道―冬期チベット高原単独自転車横断6500キロ
(
安東 浩正
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私も昔チベットの山に登ったことがあるので、非常に興味を持って読みました。夏場でさえ厳しいこの自然の中で、しかも厳冬期に自転車でチベット高原を横断するなんて・・・。私の尊敬する植村直己さんの数々の冒険にも匹敵する偉業だと思います。壮大で一見無謀とも思える計画も、雲南大学に留学してまでも成し遂げるという彼の情熱がクリアしてしまう。実に透明感のある冬のチベットの空気が、この本を読んでいる間中じんじんと私の身体にも伝わり、この若者と一緒になってチベット高原を走っているように感じられました。人間の本能ともいえる冒険心でさえ、だんだん無くしつつある現代人にとって、まさにロマンを呼び起こさせる一冊と思います。
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