タイトル通り、リサーチを中心に論文の書き方を指導した本。<BR>山とある論文の書き方本ではよいほう。<BR>論文を書くのに、ひらめきや才能はいらない、という記述に惹かれ購入した。<BR>この本の特徴は、論文の準備の仕方を重点的に、独自の方法で扱っている点だ。<BR>「とりあえずアメリカ近代史に興味がある」というぐらいのところから、<BR>トピックを切り出し、文献を読んで、テーマを絞り、論文構成を考え、<BR>文献ノートを取り・・・と進んでゆく作業プロセスをシステマティックに<BR>解説している。<BR>その際、昔ながらの情報カードをフル活用して、トピックを切り出すとき<BR>にも、構成を考えるときにも、ノートを取るときにも、カードを使って<BR>情報整理&思考をやっていこう、というのが本書だ。<BR>PC時代でも、確かにカードの有用性はある(あれやこれやと入れ替えたり)ので<BR>カード管理さえしっかりできれば、この本のやり方で考えを深めていく<BR>ことができると思う。<BR>この本は、人文科学、社会科学でも特に明確な問題がたてやすい分野の<BR>テーマを扱う人におすすめ。<BR>実際の執筆までに念入りな準備がなされるようにするマニュアルなので、<BR>執筆に関するの記述が少なめなのがやや残念。<BR>とはいえ、周到に準備すれば8割方成功かもしれないが。
「論文」を書く、といっても最初からうまい論文を書ける人は少ないだろう。論文の書き方に関する書籍は山ほどあって、どれがいいのかわからないことがほとんどだが、これに関しては間違いなく最高ランクのマニュアルといえる。テーマ設定、情報収集、構成、レイアウト等々に関して、本書のステップを踏んでいけば確実にいい論文が書ける。書き方だけでなく、社会科学的思考を身につけたい人にとっても有益である。
非常にシステマティックに構成されていて分かりやすい。<BR>論文自体がロジカルに展開するべきものであるので、この本のやり方は多くの場合強力な武器となると考えられる。<BR>もちろん、このマニュアルを読んだから論文ができるわけではなく、日々の絶え間ない努力を如何に効率的に結果に結びつけるかを論じている。<P> 学校の論文のみならず、社会人が論文に悩んでるケースでも大いに力を発揮する方法だと思われる。<BR> また、普段からこの方法で読書をしたり情報収集することにより、アイデアの整理、そして新しいアイデアの創造へ結びつくかもしれない。