美人のマネジメント専攻の大学院生の友人に勧められて読んだ。しかし、どうもピンとこない。私が組織論に期待するものは組織の成員の実存と組織の効率追求の乖離の統合である。しかし、組織論で展開される論理は「実存か組織か」という問いから「組織での実存」へと問いの枠組みを縮小し、「組織への実存の従属=組織人」という図式から一歩も出ていないのではないか?その議論の構造を自己省察してくれるかと期待して読んだが的はずれであった。考えてみれば、本書は教科書である。組織論の全体像を把握するのにはいい本だと思う。ただ、すべてが中途半端なつっこみでもう一つ、つっこみが必要ではないだろうか?まんべんなく気配りのきいた本であることはわかるがちょっと中途半端な読後感の残る1冊であった。
理論的に明快でかつ実践的な最適の入門書。特に環境と組織、組織構造などは非常によくこなれている。戦略論とからむ組織のダイナミクスについて少々分かりにくくなるが、全体として繰り返し読みたくなる質の高い教科書である。
組織論という学問は社会学・社会心理学などの知見を<BR>多分に含んだ学問です。<BR>その為、組織論の世界を概観した教科書は非常に書きにくい<BR>のではないかと私は思います。<BR>事実、学問としての日本語の組織論の教科書は<BR>数える程しかありません。<P>本書は様々な組織論の理論を紹介しています。<BR>組織論における基本的な理論はほぼ網羅されています。<P>現在、組織論教科書の定番と言えるものがない現状では<BR>日本語の組織論の概説書というだけで評価せざるをえません。<P>しかし、あくまで教科書です。<BR>このような美味しいトコどりの概説書では<BR>他の分野以上に組織論の面白さは理解しづらいです。<P>本命の組織論の本を読みながら並行して<BR>本書を読むというやり方がいいと思います。<P>そうすればも!う一冊の方の理解度が変わってくるでしょう。