600ページ強の長編ですが、小気味の良いテンポで話が展開し、途中で飽きることが全くありませんでした。主人公の少年はよくあるように未熟だけれど正義感にあふれてというタイプとは違い、あまり好感をもてませんが、それでも放ってはおけない何かがありますし、なっていったって、召喚されたバーティミアスが魅力的です。口数の多い妖霊で、本文に書ききれない部分は下段に独り言のような形で表現されています。中学生以上にお勧めで、大人にとってはハリーポッターよりも面白いと思います。
面白かった。まず、中級ジン、バーティミアスがいい。彼のちょこまかした注釈だけでも、面白い。いちいち下を読まなきゃいられない厄介さが何だかいい。<BR>ハリーポッターの後に出版されたファンタジーはことごとくハリーと比べられる運命にありますが、これはまさに比べ甲斐のあるモノのひとつ。小さい子は圧倒的にハリーかもしれないけど、ちょっとひねくれた10歳以上の男の子なら、バーティミアス派が多いだろうなと思う。いや、ひねくれていなくても多いと思う。バーティミアスのキャラクタがずば抜けてイイのです。クールでドライ、だけどちゃんとイイ奴。<P>私はあんまりナサニエルが好きになれなかったのですが、それは多分彼が物凄くちゃんと成長過程だから。あんまりイイ奴じゃないどころか、けっこうな自己中で、でもそこらへんに妙に親近感を覚えてしまうこともしばしば。未分化のぐじゃぐじゃした子供のプライドをよく描いていると思います。自分にしてみたら赤ん坊よりまだ若いくらいの我が儘な新米魔術師を醒めた目で見てるバーティミアスがまた魅力的。<P>これはバーティミアストリロジーの1冊目。そう考えると、たくさんある未消化の部分のせいで、続きが読みたくて仕方なくなる。悲惨な場面も多いけど視覚的でかなり笑えるファンタジー。しかも、くすって笑うんじゃなく、ニヤリ。バーティミアスの語りと三人称語り・バーティミアスの注釈など、多重的・視覚的な作りで飽きさせない。
表紙を見た瞬間に、これは当たりだな、と思いました。<BR>装丁も好きだったし迷わず買いました。<P>当たりでした!!!<P>とてもとても途中でやめられるような生半可なお話しではありません。<BR>続きが気になるとか気にならないとかいう問題でなく、<BR>気づくと当然のごとくページをめくってしまいます。<P>私は最初から最後まで一度も休憩をはさむことなく読んでしまいました。<BR>次の巻が出るのが楽しみで楽しみで仕方ありません。<BR>ハリー・ポッターと同じくらいはまりました。