現代っ子らしい悩みを素直にぶつける相談者に対し、重松さんはじっくりと真摯な態度で回答してくれます。毅然としているときもあれば、重松さん自身も迷っていたり。誠実な回答に、相談者たちもきっと、納得はしなくても大人の尊大さを感じるのではないでしょうか。<P> 同じ悩みを持っている若者だけでなく、親や教師など若者に接する大人たちにも読んで参考にして欲しい。自分なりの考えを持ちながら。<BR> だけど、何も悩まず成長した、かつて「優等生」だった大人たちにもぜひ読んで欲しい。そして今からでも悩み直して欲しいと思いました。<BR> 重松さんみたいな大人がもっとたくさんいて、身近で相談できたらいいな。
重松さんの小説を新聞連載で読んだ時は「ださっ!若者の雰囲気つかめてないよ!」と酷評してたけど、これを読んで「雰囲気はつかめてないかも知れないけど、気持ちはすごく分かってくれてる人なんだ」と感動しました。<BR>少食の子が居残りで給食を食べさせられることについて、「食べさせられるというのは家畜と同じ扱いです」とおっしゃっています。ああ、私が子供の頃こんなこと言ってくれる大人がいたら…。<BR>ある少女の殺人事件について「一番悪いのはネットでも時代でもなく、人の命を軽んじていいと判断した本人。子供だからかばいたい気持ちもあるだろうけど、やっぱり言わなきゃ」みたいなことをおっしゃっています。<BR>確かに、大の大人でもできないことをやっちゃうわけですから、そこまで病むまでにはいろんな病んだ状況があったんでしょう。でも、やっぱりそれは言わなきゃダメだ!と私も思いました。<BR>いじめについては匿名掲示板を例にあげて「誰にでも責任さえなければ人を傷つけたいという気持ちはある。だからこそそのフタを開けさせないように真剣に教育すべき」とおっしゃっています。<BR>子供(人間)が本来持っている悪意をちゃんと知り尽くした上で、それでも「やめろ」と言う。人の悪意を正しく認識した上で正義を教える。それが大事なんだと思います。<BR>最初馬鹿にしてたけどやっぱり大した作家なんだなと思いました。
図書館で借りて読んだのですが、手元においておきたくて購入しました。<BR>子どもを持つ親が読んで、是非子どもの気持ちを感じてほしい。この本は「ああ、私もそうだった。こんな風に悩んでいた。」と思えます。悩む事は今も昔もかわらない。昔、悩んでいて今だ残っている傷も癒えました。また、みんなの悩みにも共感できる事が多いです。今となれば笑えることでも、その当時は一大事!!この世の終わりくらいに思うこともあった。そんなみんなの悩みに、きちんとみんなの気持ちに沿って考えアドバイスをしてくれる重松清さんの文章はさすがです。柔らかく胸に染み入ります。「自分の子どもが悩んでいたときこんなふうにアドバイスしてやりたい。」そんなふうに思います。悩んでいる人や、子どもに関わる人に是非、読んでもらいたい一冊です。