iBT対応といっても、本の冒頭にあるTOEFLとは何ぞやのところにiBTって何かという説明を書いただけです。本文のところは別に昔の版から変わっていないはずですが、、
TOEFLの勉強をしていると、旺文社の「TOEFL英熟語850」がある。しかし、CBTで250点を目指されている方にとっては物足りない。その点では量はこの本、一冊で練習問題が多いのでiBT対応という事もありかなりの域まで達している。かといって、質の面でもいひょうを突かれた熟語もあり、かなり勉強になる。しかし、この本はリスニング対策に趣をおいてある感がある。この点、語研の「TOEFL TEST リスニング完全攻略」と似ている。よって、TOEFL全体像からみると「TOEFLテスト250点のための英単語と英熟語」(こう書房)。やはり新しい本は良くできているので座右の銘に置きたい。
イディオムの内容、構成など旧版にあった内容は実に優れていると思うが、今回新たに追加された和訳が劣悪だ。例えば、<BR>(p.20) I've been on cloud nine since I found out my paper was accepted for publication.<BR>「自分の論文が出版物に掲載されたのを見つけてから、私はうきうきしている。」<BR> my paperがacceptされるとは、論文掲載の許可が出たという意味であり、完全な誤訳。また、<BR>(p.21) I guess I'm just not cut out for physics.<BR>「私は物理学にはどうも向いていないようだ。」<BR>とあるが、just not (全く~でない)を訳し忘れている。さらに、<BR>(p.22) I can't figure out this math problem, can you?<BR>「この数学の問題がわからないんだよね、君は?」<BR> この訳者はやる気がないのか。おまけは<BR>(p.22) I really hope you can talk George out of quitting his job.<BR>「ジョージが仕事を辞めないよう絶対に説得してやめさせてほしいと強く望んでいる。」<BR> 自分の書いた訳をもう一度読んでみろといいたい。<BR> なにせ最初の数ページにこれだけの誤訳が見つかるのだ。訳者の能力うんぬんより、誤りをチェックしていない出版社の安易な姿勢を批判すべきだろう。本書に限らず、またアルクに限らず、単語・熟語集の和訳にはひどいものが多い。簡単な文だから、誰でも訳せると思ったら大間違いだ。ワンセンテンスの文は文脈が無いだけに、意外にも訳者の力量が問われるようだ。まあ色々批判してみたが、和訳など見る必要ない上級者には従来どおり良書であることに変わりはないと思うのだが…。