ご存知京セラ名誉会長の稲盛さんの自伝。単純な成功本ではなく、むしろ、宗教本に近い。経営者、一般社員のどちらにもお勧めの一冊である。文体は易しいが内容は決して軽く読める本ではない。一言ひとことが重いので、寝る前に読んだりすると考えさせられて眠れなくなるかもしれない。朝の通勤電車の中で読んだ方が、目を覚まされてよい。<P>京セラが小さかったとき福利厚生などに不満を言ってきた新入社員に「会社を立派にして自分でつくり上げろ」と叱り、入社式では「これからは社会人になるのだから、今度は社会に対してお返しをしていく番だ。『してもらう』から『してあげる』側へと立場を180度変えなさい」と諭すなど、「利他」の心を教えたエピソードなどを読むと、創業時から精神的高さをお持ちであったようだ。読後に影響されて、仏門に入る覚悟を持つまでには至らなかったが、心の持ちかたはかなり学ぶことができた。<P>最終章で「利を求める心は事業や人間活動の原動力。だが自分のことばかり考えず、人にも良かれという『大欲』を持て」、と稲盛さんは教えている。自分のやりたいことを全ての考えの中心に置き、会社での評価を常に気にし、転職時の年収条件に真っ先に目が行っていた頃を思い出すと、身につまされる。「利他」は今後の生き方の軸として、覚えておきたい考え方だ。
私がこの本を読んだきっかけは上司の話からです。<BR>私の上司が一度だけ社長(社長が黒と言えば黒という超強権社長)にはむかった事があるという話を、目に熱いものを浮かべながら話されたのがきっかけです。<P>ある時、社長の指示にどうしても納得がいかなく、反論をしたが、そのきっかけが稲盛先生が開いている盛和塾で聞いた「人としてどうするべきか」という言葉だったそうです。<BR>そして、私は盛和塾で配られている本を借り読みましたが、私に意見を言う勇気がつきました。<P>それがきっかけで、この本を買いましたが、内容は盛和塾での本で読んだ事もいくつか書いてあり、改めて稲盛さんの考え方はすごいと感じました。<BR>反面、今の社会で、はたして稲盛さんの考え方がまともに通用するのかという疑問が沸いたのも事実です。<BR>でも、こういった成功者の過去のエピソードは、部下に話しをする時などに非常に参考になります。<P>とにかく、判断に頭を悩ます時は、利益どうのこうのより、人としてどうするべきかという判断で決断するべきだとという内容です。
久しぶりに味わった稲盛哲学。<BR>いつ味わっても元気が出てくる。<BR>今回の、話のなかでもっとも心に残ったフレーズ。<P>「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」<BR>ことが物事を成就させ、思いを現実に変える。<P>素晴らしい!