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人生は数式で考えるとうまくいく ( 大村 あつし )

最近のベストセラーの傾向に顕著なのは、「とにかく読みやすいこと」、そして「読み出したら止まらない魅力があること」。<P>この本は、その両方を兼ね備えています。<BR>読み出したら止まりません。<BR>もっとも、普通のスピードで読んでも2時間で読めますが。<P>さらに、この本は、プラスアルファとして、もう2つの要素を持っています。<BR>1つは、とにかく、内容が示唆に富んでいること。読んだ人がみな、本がマーカーだらけになるのも思わず納得です。<BR>もう1つは、作者のドラマティックな人生にぐいぐいと引き込まれてしまうこと。エンディングでは、涙が出てきます。<P>ベストセラーの要素を完璧に兼ね備えた良著だと思います。

20代後半だった著者は、先に結婚した友人たちに「早く結婚しなよ」とよく言われたそうです。<P>しかし、その友人たちの60%が現在は離婚してしまったとのこと。<BR>そして残りの40%の人たちもいまや離婚願望を持っているらしい…。<P>逆に現在も結婚生活に満足している人たちは当時なんと言っていたか?<BR>彼らが口をそろえて言っていたのは「結婚っていいものだよ」<P>著者は、本当に相手の立場に立って忠告してくれる人というのは<BR>たいがい控えめな発言をするのではないか、と書いています。<P>最近の自己啓発本は、必要以上に「煽る」ものが多いように<BR>感じているのですが、この部分を読んでもわかる通り、<BR>この本は落ち着いていて、じんわりとこちらの心に染みこんで<BR>くるような印象を受けました。<P>私も押し付けがましい忠告をしないように気をつけたいと思います。

この作者は成功者なのか。まあ、成功者の部類には入るのだろうが、作者自ら「自分はイチローでもビル・ゲイツない」と語っているとおり、まあ普通の人だろう。そんな普通の人が事実を論じているだけである。<P>この手の本はあまりに二極化が激しすぎる。「ツイてる!」というだけでつきますなんて本がベストセラーになったり、マイナス思考こそが成功の秘訣なんて暗い本でお互いの傷を舐めあう世の中だ。<P>ところが、この本は、作者のバランスが絶妙なのである。百パーセントは納得できないが、この手の本で80パーセントも思わずうなずけるって、実は凄いことなのだとわかっていただきたい。生き方本を、引き込まれるように読破出来てしまうことがいかに珍しい体験かをわかっていただきたい。<P>誰だって、上から物を言われていい気分はしないだろう。本書では、普通の人が普通の人と同じ大地に立って、「金があるからって幸せとはかぎらないでしょう?もっと大事なものがあるでしょう?」と当たり前の成功法則を訴えている。<P>だから共感できる。

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