明治初期に撮影された写真に、色をつけた京の風景が一冊になっています。<BR>まだそんなにたってない気がするのに、そこに写った景色は今とはだいぶ違う京の街です。<BR>当時から繁栄はしていたけど、街のあちこちに使われている“木”の質感が素朴さ・温かみを出しているのかもしれません。<BR>「京都のような都会でも、こんなのどかな町並みがまだ残ってたんだなぁ~」と、ただペラペラとページをめくって見ているだけでも楽しい一冊です。<BR>幕末(特に新選組)に興味がある私にとっては、四条や三条大橋の写真をみて、”ここを歳さんは通っていたはず!”と勝手に想像膨らまして楽しんでます。<BR>実は、先日京都の前川邸跡をたずねた時に、この本をみつけました。<BR>京都滞在中、この写真と実際の風景を見比べながら旅するという、新たな楽しみを発見しました。<BR>ちょっと荷物になっちゃうけど、次回また京都へ行く時には必ず持って行こうと思ってます。
子供の頃、H.G.ウェルズの『タイムマシン』を読んで、自由に未来へも過去へもいける装置が早く発明されないかな、と期待したものですが、どうもムリみたいですね。<BR> 「ドラえもん」に頼まないとダメでしょうか。<P>この『幕末・維新 彩色の京都』は、そんなタイムマシンがなくても、百数十年前の京都へ連れていってくれます。<P>金閣寺、清水寺、北野天満宮、お花見、祇園祭、葵祭など京都・近江を舞台にした彩色写真(当時撮影したモノクロ写真に画家が着色したもの)が掲載されています。解説が詳しくて、京都に住み続けている私にとっても、大変参考になりました。<P>京都は、「蛤御門の変(禁門の変)」の「とんど焼」と呼ばれる大火事で、沢山の寺院や家屋が焼失したのですが、先の戦災においては、ほとんど空襲にもあわなかったので、現在でも100年前と同じ建物に出会えるのは素晴らしいことです。<P>現代の京都を知るものにとって、珍しくまた、懐かしい風景にタイムスリップする喜びはどのページからも得られました。写真家は外国人だと推察されます。外国人から見た「東洋の神秘 日本」のイメージ通りの写真が続きますが、現代人にとっても「エトランゼ(異邦人)」の気分で眺められるように思います。<BR> <BR>写真に登場されているモデルの人達が全て、もうこの世におられないと思うと少し怖くなりましたが・・・・。