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対訳 武士道 ( 新渡戸 稲造 須知 徳平 )

「武士道」は自分の精神的なルーツを知る上で、現代の日本人は必ず読んでおくべき書物であると思います。百年前に、これを残してくれた新渡戸稲造に現代日本人は感謝すべきです。二十年近く前に初めて読んだときに、私の根底にあるものを気付かせてもらった一冊で、偉く感動を覚えたものです。<P> ただ、これは、あくまで翻訳本なので、訳者を選ぶ必要もあります。この岩波文庫版は翻訳が古すぎて(笑ってしまう程ーごめんなさい)、今の時代の人にはとても読みにくく、理解しにくいと思います。原書で読んだほうがわかりやすいとさえ思いました。<BR>ぜひ、現代語訳版で読んでください

外国人の方へ、一時代の日本人の道徳そのものであった「武士道」と言うものを丁寧に、かつ体系的に教えるためのいわば解説書と言えます。<BR>序盤から中程にかけては現代にも通用するものが多く、一言に「古臭い」と見放されず、ここまで読まれてきた理由がよく分かります。<P>美しい説話を挿みながら日本人の死に対する心構えや覚悟を文章として紐解いた「自殺および復仇の制度」の項は僕の最も感銘を受けた箇所でもあります。<P>孔孟や仏教、または神道からの多大な影響も体系的に解説され、いかにして武士道が生まれ、育まれ、そして終焉を迎えるかが非常に明晰かつ客観的に述べられているのを見ると筆者の道徳観念に対する思慮深さ、地盤の確りとした様がうかがい知れようと言うものです。<P>封建制の奇跡とも言える武士道が死に、為替の価値がいくら変動しようとも「5000円札の彼」に対する深い尊敬を忘れないでいたいですね。

 私達は生きる上で他人と協調して生きている。<BR>「嘘をつくな」や「人様に迷惑をかけるな」といった当然の常識や道徳というものが人間には必要であり、それらがまったく無い世界というのは成り立たない。欧米では宗教がそれを支えているが、それでは宗教的拘束をあまり意識しない、我々日本人の常識や道徳はどこで確立されたのだろうか・・・。原題 BUSHIDO,The Soul of Japan 答えはこの本の中にある。

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